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《ブラジル》自治体が国の保証なく210億レアルの借金=連邦会計監査院付検察は違憲と主張

Caixaの支店(参考画像)

Caixaの支店(参考画像)

 連邦貯蓄銀行(Caixa)は、国庫庁の保証を受けずに行った財政上の問題がある自治体への融資、総計214億レアルを回収しなくてはならない状況にあると7日付現地紙が報じた。
 この金額は、今年第1四半期にCaixaがブラジル中の自治体(5000以上の市、26の州と連邦直轄区)に貸し付けた融資総額の3分の2にあたる。連邦会計監査院付検察(MP―TCU)も、憲法違反でリスクが高いとし、今後は国庫庁の保証なしでの自治体への融資を禁じる意向だ。
 国庫庁の承認なしで行われたCaixaからの融資は、各自治体の資金繰りに回された。貸付を受けた自治体の中には財政的に苦しく、返済不能に陥る可能性が高い自治体も含まれていた。
 国庫庁が保証を与えた場合、借り手の自治体が返済不能になっても、連邦政府が金融機関への返済義務を負うので、回収不能にはならない。しかし、国庫庁の保証がない融資が焦げ付けば、貸し手と借り手の直接交渉となる。この場合、自治体は将来の税収を担保に差し出す事が往々にあり、回収リスクが高まる。
 社会経済開発銀行(BNDES)が今年第1四半期で自治体に貸し付けた融資の場合は、27・2%(132億レアル)が政府の保証なしだった。
 ブラジル銀行は政府の保証なしに自治体に融資することはないと返答し、ブラジル中銀は返答を避けた。
 国庫庁(連邦政府)の保証もなく、国から将来的に交付される州加盟ファンド(FPE)や市加盟ファンド(MPE)の割当金を担保にして自治体が銀行融資を受けるのは違憲だと、MP―TCUは主張している。