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マリエーレ市議殺害事件=治安相が捜査の困難さ釈明=未亡人が身辺の保護を要請

脅迫の内容などを語るために警察に出向いたモニカ・ベニシオ氏(Cristina Indio do Brasil/Agência Brasil)

脅迫の内容などを語るために警察に出向いたモニカ・ベニシオ氏(Cristina Indio do Brasil/Agência Brasil)

 3月14日にリオ市で起きた、マリエーレ・フランコ市議と運転手のアンデルソン・ゴメス氏殺害事件に関し、ラウル・ジュングマン治安相が7日、同件の捜査の困難さについて釈明したと8日付現地紙サイトが報じた。
 マリエーレ氏とアンデルソン氏は、3月14日に行われた黒人系の青年達の集会後、車で帰宅途中に車2台に追跡され、その内の1台から計13発の銃撃を受けた。この襲撃で、マリエーレ氏は頭部に4発、アンデルソン氏は背後から3発を浴び、即死した。
 同件の捜査は市警殺人課と検察局が秘密裏に進めており、市警がこれまでに明らかにしたのは、同件に関与したと思われる人物が2人逮捕されたという情報だけだ。
 グローボニュースのインタビューを受けた治安相は、同件の捜査を妨害しないため、これまでに明らかにされた事実は伏せておかねばならない事と、公務員の関与で捜査がより複雑になっている事を明らかにした。
 インタビューでは捜査の妨げになっているのは議員や警察かとの質問も出、治安相は、「(熟練した射撃の腕を持つ)プロの犯行だった事や、非常に広範囲な人物の関与が捜査の進展を難しくしている」と答えた。同相は、連邦警察や連邦道路警察、軍なども協力しており、年内には全貌解明と見ている。
 だが、事件から5カ月近く経つのに、実行犯の名前や誰が命じたのかさえ明確にされていない事にもどかしさを覚えている人は多い。既に明らかにされたのは、元軍警のアラン・ノゲイラ容疑者と元消防士のルイス・フェレイラ・バルボーザ容疑者の関与だけだ。
 他方、米州機構人権委員会は5日、ブラジルに対し、マリエーレ氏未亡人のモニカ・ベニシオ氏の身辺保護を要請した。同氏は事件後、継続的に、事件解明の遅れや脅迫や嫌がらせを受けている事への苦言を呈していたが、同件は政治的な事件だからと、米州機構に介入と保護を求めていた。
 同氏は6日、警察で脅迫の内容なども具体的に語った。3時間に及ぶ供述では、不審車に付きまとわれ、「殺されないよう気をつけろ」「しゃべりすぎだ」などと言われた事や、インターネットでも脅されている事が明らかにされたという。