ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》PTがジウマ罷免に賛成の党とも連立=15州での知事選挙で=裏切ったはずの与党とも=「矛盾はない」とグレイシ党首

《ブラジル》PTがジウマ罷免に賛成の党とも連立=15州での知事選挙で=裏切ったはずの与党とも=「矛盾はない」とグレイシ党首

ルーラ氏(中央)とレナン親子(17年8月、Ricardo Stuckert)

ルーラ氏(中央)とレナン親子(17年8月、Ricardo Stuckert)

 労働者党(PT)が、10月の地方選では15州において、2016年にジウマ前大統領の罷免に協力した党と連立を組んでいることがわかった。8日付現地紙が報じている。

 PTが州知事選で連立を組んでいる、「ジウマ罷免」に投票した政党には、副大統領の立場なのにジウマ氏を裏切った形となったテメル大統領の民主運動(MDB)をはじめ、社会民主党(PSD)、ブラジル労働党(PTB)、共和党(PR)、REDEの名前がある。
 また、4州でブラジル社会党(PSB)と組むことになっている。PSBはジウマ氏の罷免には賛成したが、元々、PTとは長年、連立を組んできた党で、同じ左翼政党でもある。大統領選では同党出身のシロ・ゴメス氏を支持するか、ルーラ氏を支持するかで迷ったPSBは、結局は中立という形をとった。だがPT側は、地方選での連立を通じて、ルーラ氏もしくはハダジ氏の支援をするよう期待しているという。
 また、PTが独自の知事候補を出す州の内、アクレー州、バイア州、セアラー州、ピアウイ州、ミナス・ジェライス州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州の6州では、現在もまだテメル政権との連立に参加している政党(PSBは既に離脱済み)と連立を組む。
 中でも特筆すべきはミナス・ジェライス州だ。フェルナンド・ピメンテル氏が再選を狙う同州では、ジウマ氏が上院選に出馬する。ジウマ氏は自分を罷免することに賛同した政党とは距離を起きたがっているが、MDBや、大統領選ではジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)と連立を組んでいるPRはピメンテル氏を支援することを決めている。
 PTは、ジウマ罷免に賛成した他党の知事候補とも連立を行っている。セルジッペ州では現職のベリヴァウド・シャーガス氏(PSD)の副にエリアネ・アキノ氏をつけた。シャーガス氏はジウマ氏罷免時はMDBに所属していたが、ジウマ氏の罷免には反対の立場だった。
 また、アラゴアス州では、ジウマ政権時に上院議長を務めたレナン・カリェイロス氏の息子のレナン・フィーリョ氏と連立を組む。レナン父子はMDB党員だが、父のレナン氏はジウマ氏と非常に親しく、16年8月の上院での罷免投票の際には、ジウマ氏の今後の政治生命を絶たないよう働きかけた。さらにテメル大統領の社会保障制度改革に真っ向から反対するなどの姿勢を見せたことで、PTやルーラ氏と良好な関係を築いていた。
 PTとジウマ氏を罷免に追い込んだ政党との関係について、PT党のグレイシ・ホフマン党首は「連立する相手の政党にはルーラ氏を支持することを約束させており、何も矛盾していない」と語っている。