ブラジル名護市親睦会(末吉業幸会長)の約30人は、沖縄移民110周年を記念して来伯した名護市慶祝団11人を迎えて歓迎会と高齢者表彰式を5日晩、サンパウロ市内のホテルで開催した。
渡具知武豊市長は「110周年の式典や記念行事を通して、日本語を話さない世代になっても血筋が繋がっていることを実感した。これからも末永く関係が続くことを祈っています」と挨拶した。
市からの高齢者表彰では、当日出席した比嘉健夫、比嘉幸子、石川ツネ、島袋チエ子、宮城安子、岸本隆敏6氏に賞状と記念品が贈られた。
与那嶺真二元沖縄県人会会長は「県人会には41支部、サンパウロ市内だけで16会館あり、皆が力を合わせて110周年を行った。私達が名護を訪れた時は、これからも『世界のウチナーンチュ』という気持ちで、いつもおかえりなさいと言ってほしい」と歓迎の言葉をのべた。
末吉会長は「ナグンチュー(名護出身者)は一匹オオカミが多くて、自分から表に出ず、あまり会活動に参加されない。だが、その分、実は多分野で活躍している」と説明し、名護出身子弟の活躍を口頭で列挙した。
与那嶺元県人会長が音頭をとって「いーば、かりー」と元気に乾杯をし、市から親睦会に記念品が渡された。
慶祝団の一人、沖縄県国際交流・人材育成財団の玉城哲也理事長は「たまたま話していたら、同じ羽地村出身者とお会いした。これからアルゼンチン、ボリビアへと式典参加に行くが、最後のボリビアには姉が住んでいる。会うのが楽しみ」と語った。玉城理事長と同じ村出身の石川ツネさん(87)は「ホント、遠いけど近いね」と熱心に話し込んでいた。
レキオス芸能同好会(大嶺真雄クラウジオ代表)を当地に創立した一人、大嶺真治さんは青年隊員として58年前に渡伯した。「沖縄には7回も訪ねたから、別にサウダーデは感じない。それどこか、こちらでは7歳から大学に入るまでの若者約200人が同好会で沖縄芸能を磨いている。沖縄から指導者に来てもらったり、こちらから学びに行ったりして交流を盛り上げている。彼ら世代がいる限り沖縄芸能は続きます」と頷いた。
最後に末吉会長は「今日の参加者は少なめだったが、名護市との交流が途切れることなく続くよう、馬力をかけていきたい」と宣言して閉会した。