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《サンパウロ州》サントス沖で海賊騒ぎ?=船内から大量のコカイン押収

押収された麻薬(Divulgacao/Assessoria Receita Federal)

押収された麻薬(Divulgacao/Assessoria Receita Federal)

 13日未明、サンパウロ州のサントス沖で、イタリア船籍のグランデ・フランシア号に不審な男達が侵入し、乗組員達を制圧する事件が起きた。

 午前2時頃に不審な動きに気がついた船長が、隙を見て、近隣の船と連邦警察に通報したが、海が荒れていたため、連警が駆けつけたのは、数時間後だったという。

 カギ爪付きのロープを使って侵入する手口はあたかも「海賊」で、船長もコンテナ二つがあらされたと報告したが、船が岸壁に着くのを待って行われた捜査では、船長が指摘したコンテナには異常は発見されなかったという。

 だが、連警と国税庁職員が船内を詳しく捜索したところ、荒らされたものとは違うコンテナ二つから1・3トンのコカインがみつかった。現時点では、侵入した賊4人がコカインを持ち込んだのか、それとも持ち去ろうとしたのかは不明だという。押収された1322キロのコカインは、41に小分けされていた。

 連警によると、サントス沖では7日未明も、グランデ・フランシア号と同じグリマウディ・グループ所属のグランデ・ニジェリア号に賊が侵入する事件が起きている。

 グランデ・ニジェリア号とグランデ・フランシア号は共に、ベルギーのアントエルピア港に向かう船だ。7日の侵入事件では、乗組員達を制圧した賊が、彼らにも手伝わせ、自分達の船に乗せていた1・2トンのコカインを甲板に荷揚げさせている。

 連警は、これら2件は海賊による襲撃事件ではなく、麻薬密売者による組織的犯行との見方を強めている。

 サントス港の税関によると、今年は、13日現在で13・6トン以上のコカインが押収されている。2016年のコカイン押収量は1万622キロ、17年も1万1539キロなので、今年は既に、16、17年の年間押収量を超えている。16年と17年の麻薬摘発件数は22件と24件だが、今年は既に27件に及んでおり、諜報技術の進歩も押収量増加に貢献しているという。コカイン以外の麻薬も含めた薬物押収量は、17・6トンに及んでいる。

 薬物押収量は、サンパウロ州を本拠とする麻薬密売組織、州都第一コマンド(PCC)が、国外との麻薬取引を加速し始めた16年以降、右肩上がりに増加中だ。

 連警は、コロンビアやペルー、ボリビアでのコカの栽培量増加も薬物押収量の増加に繋がっているというが、PCCはこれらの国の構成員数を増し、麻薬の調達や輸送に拍車をかけている。(13日付G1サイト、13日付ジョーヴェンパン・サイト、14日付エスタード紙より)