国連児童基金(ユニセフ)が14日に発表した研究結果によると、ブラジル人の子供、青少年の60%は経済的貧困または人権を侵害されている意味においての「貧困状態」にあることが分った。15日付現地紙が報じている。
ユニセフは、家庭の収入だけでなく、情報へのアクセス環境、教育、幼児・児童労働からの保護の有無、住居や衛生環境なども調査した。
ブラジル地理統計院(IBGE)が2015年に行った全国家庭サンプル調査(Pnad)のデータを基にまとめられた研究によると、最近10年間の比較では、子供、青少年の経済的な貧困は減少したが、人権侵害は減っていない。
実数では3200万人の子供、青少年が貧困状態に晒されている。600万人は生活に最低限必要な品物や食べ物を買うお金がなく、1200万人が衛生、教育や情報へのアクセスが不十分だ。また、1400万人は家に生活に最低限必要な品物や食べ物を買うお金はあるものの、何らかの人権侵害を受けている。
また、都市部より田舎に住んでいる方が、白人より黒人の方が、南部、南東部より北部、北東部に住んでいる子供、青少年の方が、より深刻な人権侵害に苦しんでいる。
ブラジルは、「2030年までに貧困に苦しむ国民の数を半分にする」との国際協定を批准した国だ。ユニセフのブラジル支部長のフローレンセ・バウアー氏は、ブラジルがその目標を達成できるか否かを語るのは未だ早いとしつつも、状況を改善するためには予算をつけるだけでなく、計画的に予算を組む事が必要だとしている。