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《サッカー》 全国選手権が前半戦折り返し=首位を走るのはサンパウロ

 サッカーの全国選手権(ブラジレイロン)は、21日に第19節が終了した。全38節のちょうど半分が終わり、近年低迷していたサンパウロが勝ち点41で首位、今年1部に復帰したばかりのインテルが勝ち点38で2位と波乱の展開になっている。
 開幕前の予想でサンパウロの躍進を予想した人は少なかった。サンパウロ州はここ数年パルメイラスとコリンチャンスが結果を残している。この2チームはリベルタドーレス杯やブラジル杯でも勝ちあがり、ブラジレイロンよりそちらに力がかかっている側面もある。同様のことはフラメンゴやグレミオ、クルゼイロにも言える。
 だが、それを差し引いても、サンパウロが安定した試合を続けていることは間違いない。
 今季はサンパウロ州選手権の途中から監督にウルグアイ人のディエゴ・アギーレ監督を迎え、まとまりのあるチームを築き上げている。主力となっているのはネネー、ジエゴ・ソウザ、エーヴェルトンと、いずれも30歳を超えたベテラン・トリオで、この3人の駆け引きのうまさで勝ち点を着実に積み重ねている。とりわけ、かつてPSGでも活躍した37歳のネネーの底力が改めて評価されている。
 2位のインテルも下馬評は高くなかったが、こちらはボランチのパトリキとロドリゴ・ドウラード、ゼッカ、イアゴの両サイドバックにセンター・バックのロドリゴ・モレドなどを中心とした堅実な守備と、ニコ・ロペス、ポッチケら攻撃陣の活躍で勝っている。
 折り返しの2節前まで首位だったフラメンゴは、先日、セレソンにも召集された若き司令塔ルーカス・パケタとベテランのジエゴ、エーヴェルトン・リベイロと、中盤の攻守で好調を維持していたが、攻撃の要だったヴィニシウス・ジュニオルがレアル・マドリッドに移籍して以降、調子を落としているのが気にかかる。
 また、昨季のリベルタドーレス杯を制し、2年連続での南米制覇の期待がかかっているグレミオは、各試合でのチーム編成を見ていると、全国選手権よりもリベルタ杯に重きを置いた試合をしているのが明らかだ。
 6位(勝ち点33)のパルメイラスはグレミオ同様、全国選手権の優先度をやや落として戦っている印象だが、豊富な財力をバックに行った戦力補強で選手層は厚く、さらにはかつてのセレソンの世界一監督のフェリポン氏も監督についた。同監督の就任後は調子もよく、巻き返しは難しいことではなさそうだ。
 7位のコリンチャンス(勝ち点26)はシーズン途中にカリーリ監督と攻撃の中心ロドリギーニョ、守備の要バルブエナを、それぞれサウジアラビア、エジプト、イングランドのクラブに引き抜かれたが、安定度ではここ数年一番のチームなので巻き返しは考えられる。
 一方、得点王争いだが、「久々に登場した大型センターフォワード」と目される21歳のペドロ(フルミネンセ)が10得点でトップ。この10点のうちPKで決めた得点はなく、難易度の高いシュートを多く決めるなど評価も高く、先日セレソンに初召集された。
 過去5年は、リーグ前半戦を首位で折り返したチームがそのまま優勝を飾っており、この10年で見ても首位ターン7チームが優勝。2008年以来10年ぶりとなる優勝を狙うサンパウロには、うれしいデータとなっている。(18~20日付伯字各紙より、21日掲載)