ブラジル国内ではベネズエラ人の流入や移動に伴うと思われる麻疹(はしか)の感染拡大が続いており、ボリビアが、予防接種を受けていないブラジル人の入国を禁ずる事を決めたと21日付現地紙サイトなどが報じた。
麻疹感染は、今年2月にロライマ州で最初の死者が出て以来、注目を集めている。6日に始まった乳幼児向けの予防接種キャンペーンでは、恒例のポリオと同時に、麻疹を含む3種混合が適用されている。
麻疹の感染が最も懸念されているのは、流行状態となっているアマゾナス州とロライマ州だ。14日までに確認されている州別感染者数は、アマゾナス910人、ロライマ296人、サンパウロ1人、リオ14人、リオ・グランデ・ド・スル13人、ロンドニア1人、パラー2人の計1237人となっている。
保健省はアマゾナスとロライマ両州での流行は抑制可能と見ているが、アマゾナス州での感染拡大は予断を許さず、21日現在の患者数は、177人増えて、1087人になっている。
同州で最も深刻なのは762人の感染が確認されたマナウス市だ。同市では、5日に死亡した生後6カ月の赤ちゃんが麻疹に感染していた事が17日に確認され、死者の数が3人に増えた。ブラジル全体での死者は、アマゾナス州3人とロライマ州4人の計7人だ。マナウス以外で患者が確認されているのは、マナカプル市の187人など、10市に上る。
他方、ボリビア当局の決定は、麻疹の感染がブラジル北部に広がっている事を懸念したもので、ロンドニア州と同国との国境を越えて入国するブラジル人に麻疹の予防接種も受けるよう義務付けた。また、同国からブラジルに入る人にも、国境を越える前に予防接種を受ける事を義務付けている。同国は黄熱病の予防接種も義務付けており、旅行者は予防接種記録の更新と所持が必要だ。旅行者が接種済みか否かの確認は、国境警備の兵士が行っている。
同国との国境では、予防接種を受けた事を証明する手帳を失くした人などのためのワクチンが用意されており、1日平均300人が接種を受けているという。