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《ブラジル》マルフ下議、遂に罷免処分受ける=サンパウロ州政界の汚職の象徴

 サンパウロ州政界の大物で現在服役中のパウロ・マルフ氏(86、進歩党・PP)が22日、任期5カ月を残して下議職を罷免された。23日付現地紙が報じている。

 マルフ氏は収賄と資金洗浄の容疑で7年9カ月と10日の実刑判決を受け、昨年から服役中(健康問題により現在は自宅軟禁)だ。

 同氏は昨年12月に最高裁で罷免の判断を受けていたが、「連邦議員の処遇は議会で決めたい」と議会側が反発したため、実行されずにいた。

 下院は22日までに結論を出すとしていたが、下院の倫理委員会で結果が出なかったため、下院議長や書記などからなる運営委員会が罷免を決断した。通常、罷免は下院本会議で全体投票を行って決められる。

 マルフ氏は軍政政党の国家革新同盟(ARENA)の政治家で、1969~71年にサンパウロ市市長、79~82年にサンパウロ州知事、83~87年に下院議員を歴任。85年には議会間接選挙での大統領選に出馬し、タンクレード・ネーヴェス氏に敗れた。この選挙は、民政復帰のための最初の大統領選挙だった。

 マルフ氏はその後、92年のサンパウロ市市長選に当選、93年から1期、市長をつとめた。その後はサンパウロ市市長選、サンパウロ州知事選で落選を繰り返したが、2007年から下議となり、3期つとめていた。

 高速道など土木事業に強さを見せる反面、古くから贈収賄工作の噂はたえず、「セニョール賄賂」とのあだ名でも知られていた。86歳になった直後の昨年10月に最高裁で有罪が確定。12月から服役を開始した。