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吾子の国父母眠る国サビア鳴く=全伯俳句大会で西谷さん1位=グァタパラからも3人参加

真剣な表情で作句する皆さん

真剣な表情で作句する皆さん

 ブラジル日本文化福祉協会主催の「第9回全伯俳句大会」が19日に開催され、《吾子の国父母眠る国サビア鳴く》を詠んだ西谷律子さんが席題総合得点21点を獲得し、1位に輝いた。サンカルロスなど遠方からの参加者もあり、俳句仲間と顔を合わせて親睦を深め、楽しい一日を過ごした。(全作品は180825-51coloniaに掲載)

 文協の林まどか副会長は開会式で「『花曇り』など俳句ならではの美しい日本語があります。俳句という素晴らしい活動を通して皆様の健やかなご長寿を願っています」と挨拶した。

 「兼題部門」では冬季一切、5句投句。投句者数は92人で、投句総数は460句。11人の選者がそれぞれ次の句を特選に選んだ。

▽青木駿浪選《生き甲斐は俳句一途や冬ぬくし》中馬淳一、▽伊那宏選《根に命委ねて菊の枯れにけり》二見智佐子、▽小斎棹子選《移民祭殆ど聞けぬ日本語》西朋子、▽児玉和代選《永らえてなんのなんのとたまご酒》小村広江、▽笹谷蘭峯選《百十年の歩み重たく移民の日》西谷律子、▽富岡絹子選《一徹も丸く老いたり寒の月》須賀吐句志、▽富重久子選《遠来の客をもてなす大焚火》藤井美智子、▽西田はるの選《虎落笛湖に沈みし村を哭く》保田渡南、▽樋口玄海児選《ブラジルは緑の国よ移民の日》西川あけみ、▽廣瀬芳山選《三寒の不精四温の紅をさす》二見智佐子、▽広田ユキ選《着ぶくれて暗証番号忘れたり》西川あけみ

 大会当日の「席題部門」の席題は「春寒、藤、子猫、(春季一切)」。一般は5句投句5句選。投句者数は40人、投句総数は120句。選者は吉田しのぶ、富重久子、小斎棹子、伊那宏の4氏。各選者の特選句は次の通り。

▽伊那宏選《余生今天に任せて大朝寝》吉田しのぶ、▽小斎棹子選《吾子の国父母眠る国サビア鳴く》西谷律子、▽富重久子選《藤かほり移民の道をふり返る》脇山千寿子、▽吉田しのぶ選《十二人死刑のニュース春寒し》小斎棹子

 席題の総合得点では西谷律子さんが1位(21点)、西山ひろ子さんが2位(18点)、西森ゆりえさんが3位(15点)、森川玲子さんが4位(12点)、鈴木文子さんと浅海護也さんが同点5位(11点)、小村広江さんが6位(10点)、脇山千寿子さん、太田映子さん、吉田しのぶさんが同点7位(9点)。

 当日参加した40人中には、グァタパラ移住地から3人も。その一人、近藤佐代子さんは「グァタパラ句会は50年前に佐藤念腹先生が始めた由緒あるところ。かつて10数人いましたが、いまでも7人おり、月1回集まっています」という。

 3回目の大会参加という脇山千寿子さんが誘い、他の二人は初参加。22年間も同地で婦人会長を務めた高木美代子さんは「一昨年、婦人会長を辞めてから、俳句を再開しました。若い時以来。ボケ防止ですよ」と笑った。