ブラジル地理統計院(IBGE)は23日、8月中旬締めの月間広範囲消費者物価指数(インフレ率、IPCA―15)が0・13%だったと発表した。
これは8月の数値としては、マイナス0・05%(デフレ)だった2010年以来の低い数値だ。今年7月のIPCA―15、0・64%と比較すると、0・51%ポイントも低い。
今年1月から8月までのIPCA―15の累積値は3・14%で、昨年9月から今年8月までの直近12カ月の累積値は4・30%だった。
8月のIPCA―15が7月に比べて大きく下がった背景には、単独でマイナス0・87%(デフレ)記録した「交通費」の影響が大きい。交通費部門だけで、全体値を0・16%ポイント分も引き下げるインパクトがあった。
「交通費」をさらに細かく見ると、マイナス26・01%(デフレ)を記録した「航空運賃部門」が目を引く。また「燃料費」もマイナス1・32%で、7月に引き続きのデフレとなった。「燃料費」をさらに細分化した、エタノール(マイナス5・8%)、ディーゼル油(マイナス0・5%)、ガソリン(マイナス0・4%)も揃ってデフレとなった。
反対にインフレ率が高かった部門は「住居費」(1・1%)、「保健医療費」(0・55%)。この2部門だけで0・17%ポイント分の全体へのインフレ圧力となった。
1・1%ものインフレだった「住居費」の中では「電化製品」(3・59%)の値上がりの影響が大きく、0・55%インフレだった「保健医療費」の中では「保健プラン」(0・81%)の値上がりが大きかった。
IBGEはインフレの動きを独自に分けた地域別にも見ている。
その中でクリチーバ都市圏(マイナス0・26%)、フォルタレーザ都市圏(マイナス0・25%)、ブラジリア都市圏(マイナス0・23%)、ベレン都市圏(マイナス0・19%)、レシーフェ都市圏(マイナス0・06%)はデフレを記録した。
なお、インフレ率が最も高かった地域はサンパウロ都市圏(0・44%)だった。これは同地域の電気代が15・84%も増額された事が原因だ。
その他に全国平均を上回ったのはサルバドール都市圏(0・24%)だった。リオデジャネイロ都市圏は0・03%だった。(23日付アジェンシア・ブラジルより)