米国の市場調査会社、ニュー・ワールド・ウェルス(NWW)が発表したデータによると、2017年に国外脱出した「100万ドル以上の資産を持つブラジル人」の数は2千人に達した事がわかった。
ブラジルは3年連続で「資産100万ドルを持ち、国外に出た国民の数が多い国」ランキングのトップテン入りとなった。2015、16、17年の3年間の累積では1万2千人だ。
NWW作成の「グローバル・ウェルス・リポート(GWR)」では、富裕層の国外脱出を「かなり悪い兆候」や「深刻な問題を抱えている証拠」と位置づけている。資産が国外に流出しはじめるのは、経済や政治が上手く機能していない最初の兆候だが、資産100万ドル以上の富裕層が国外移住を始めたら、国家システムは深刻な危機に直面し始めた段階と見なされる。
2017年のGWRの富裕層国外脱出総人数ランキングで、ブラジルは7位になった。同ランキングの1位は、1万人の富裕層が国外に出た中国で、2位はインド、3位以下はトルコ、英国、フランス、ロシアと続いた。マドゥーロ独裁体制が敷かれ、深刻な危機に瀕している南米のベネズエラからも、1千人の富裕層が国外脱出した。
また、GWRは、2015年に国外脱出した富裕層は全世界で6万4千人だが、16年は8万2千人、17年は9万5千人と毎年増えていることも明らかにした。
金融業のセーザル・ブラガ氏は15年末にリオデジャネイロから米国マイアミに居を移した。14年選挙でのジウマ大統領(労働者党・PT)再選後の経済の乱れや、リオの治安悪化により、ブラジルを出る決断をした。「自分は金融業界にいたから、今後状況は益々悪くなることがわかっていた。友人の半数以上も同じ決断(ブラジル脱出)をした」と語っている。(27日付G1サイトより)