60年振りの皇室ご訪問に沸いた〃移民の故郷〃に栄誉――24日、笠戸丸表彰を受けたノロエステ連合日伯文化協会の安永信一会長に、同地の祭典事業の総括と今後の展望について聞いた。
7月22、23の両日、同沿線ではプロミッソン、カフェランジア、アラサツーバで眞子さまをお迎えし、歓迎式典を開催した。安永会長は「まだ夢を見ているよう。皆が気持ちよく力を合わせたからこそ無事に実現できた。皆が喜んで帰ってくれ、ノロエステは最高でした」と感動の2日間を振返った。
プロミッソンでの記念式典について「開催が夜だっただけに、人が集まるのかヒヤヒヤしていた」と語る。だが、眞子さまご到着時には上塚運動場は群集で身動きができないほど集まり、終日では約1万人が来場するほどの大盛況となった。
安永会長は「ブラジル人の来場客が多かったにも係らず、運動場にはゴミが全く落ちていなかった。眞子さまのお言葉の際にはあれだけの人出がありながら、会場が静まりかえったのには驚いた」と印象を語る。
また、平野植民地に関して「昨年来、山田彰駐伯大使に続き、外務省事業で若い日本人が訪問するなど新たな交流が生まれている。まさか慰霊碑まで眞子さまが足を運んでくださるとは誰も想像していなかった。地元は大変な感激ぶりでした」と振返った。
今月11日にはリンスで、ブラジル日本青年会議所(JCI)とシンポを初めて共同開催するなど若手育成にも力を注ぐ。安永会長は「プロミッソンでは最後まで片付けを手伝う若者がいて感心した。ノロエステでは三世も70代と高齢化し、10年後の移民120周年では世代交代がもっと進む。まずはまだ地域に居住する若い人材を大切に育てていきたい」との意気込みを語った。