サンパウロ州検察局は27日、大統領選でのルーラ氏の副候補フェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)を起訴した。これは2013年にサンパウロ市市長に就任した同氏が、UTC社に選挙中の経費の未払い分を払わせたという裏金疑惑(カイシャ2)と、公共事業契約を利用した収賄容疑に関するものだ。28日付現地紙が報じている。
サンパウロ州検察局のウィルソン・タフネル捜査官によると、UTC社は2013年5~6月に、ハダジ氏が2012年の選挙で利用した印刷会社への負債の大半(260万レアル)を支払った。
検察はまた、UTC社は賄賂を払ってハダジ市政の公共事業を請け負ったとして、ハダジ氏とUTC社関係者との間を仲介したハダジ市政の局長や、UTC社関係者ら6人も贈収賄などで起訴した。また、7人の資産差し押さえや、市の財政に与えた損失(1510万レアル相当)の返済、罰金の支払いなども要請した。
サンパウロ州検察は、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の被告でもあるUTC社元社長のリカルド・ペッソア氏と同社元財政部長のヴァルミール・ピニェイロ氏が、2017年に連邦警察で語った内容を基に捜査を進めてきた。両供述者は今月も改めて事情聴取を受けている。
それによるとハダジ氏は、市長就任直後の2013年2月28日に市庁舎にペッソア氏を迎え、会合を行った。その際、ペッソア氏はオデブレヒト社とのコンソーシアム「コンストラン」の役員2人を連れて行き、今後の建設業関連の事業の予定をたずねたという。
ペッソア氏は翌3月、当時のPT中央会計で後のLJ被告、ジョアン・ヴァッカリ・ネット氏から「ハダジ氏の選挙キャンペーンで借財が残っているから、あと300万レアル払ってほしい」との請求を受けた。
ハダジ氏はこの前年の2012年8月、ハダジ市政で保健局長となったジョゼ・フィリピ・ジュニオル氏と共にペッソア氏と会い、献金を依頼した。これを受け、UTC社は100万レアルの合法献金を行った。
だが、13年に払った金は違法献金や賄賂だ。ペッソア氏は3月14日に、全6回の賄賂の第1回目として、フィリピ氏に20万レアルを払った。5~6月には、PTのフランシスコ・カルロス・デ・ソウザ元州議経営の印刷会社2社に計260万レアルを払っている。
この260万レアルの支払いは、LJの仕掛け人的な闇ブローカー、アルベルト・ユセフ氏を通して行われた。この支払い後の13年7月、コンストランはカマルゴ・コレア社と組み、サンパウロ市東部イタケーラのバスターミナル建設契約(4億1700万レアル)を結ぶのに成功。OAS社とのコンソーシアムでも、ファヴェーラのレアル・パルケ市街化計画(8200万レアル)を落札した。
ハダジ氏はこの疑惑を全面的に否定している。仮に今回、この告発が受け入れられてハダジ氏が被告となっても、予想されるルーラ氏との正候補交代には影響しない。