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《ブラジル》第2四半期の国内総生産は0.2%増に止まる=10年間では平均1%切る?

 8月31日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、今年の第2四半期の国内総生産(GDP)は第1四半期比0・2%の成長に止まったと1日付現地紙が報じた。

 第2四半期は、5月下旬に起きたトラックストの影響や、統一選挙前の経済の先行き不透明感による投資差し控えなどもあり、GDPの伸びが小さいと予想されていた。そういう意味で、0・2%という数字は想定内だったが、2014~16年の景気後退後の回復が遅れている事も明らかになった。

 この発表後、コンサルタント会社は軒並み、今年のGDPの伸び率を下方修正した。具体的には、ローゼンバーグが2%を1・5%、パララシスは1・4%を1・2%に下方修正した。

 トラックストによる影響は、元々回復が遅れぎみだった部門中心に表れた。具体例は、製造業の0・8%減、商業の0・3%減、輸送業の1・4%減、家庭消費の1・8%減などだ。第3四半期以降の家庭消費は、社会統合基金/公務員財形計画(PIS/Pasep)の休眠資金開放などで回復し、他部門を牽引する見込みで、年間GDPは1・5%前後成長との見方が一般的だ。

 だが、現在の景気回復が期待を大きく下回っている事は、様々な数字からも明らかだ。

 2日付フォーリャ紙によると、トゥレット・プレボン社の主任エコノミスト、フェルナンド・モンテロ氏は、2011年から2020年のGDPの年間平均成長率は1%以下で、国民一人当たりのGDP減額ももたらすと分析している。

 この予想通りなら、1980年代に起きた「失われた10年」が再び起きる事になる。1981~90年のGDPは年平均で1・6%成長したが、物価急騰で、国民一人当たりのGDPは毎年0・4%縮小した。

 2011~20年は、2010年の7・5%成長分が除外されるため、今年は1・47%、今後2年間も2・5%程度成長と見積もっても、年間0・96%程度の成長にしかならないという。

 また、近年の動向を政権毎(8年単位)で見ると、ジウマ政権の経済成長率はブラジル史の中でも最も低成長だったという。同氏の罷免後も経済の回復は遅れており、「経済破局」状態を脱出しきれずにいるという。