ブラジル世論調査・統計機関(イボッピ)が5日、ルーラ元大統領の出馬資格停止後初の大統領選の世論調査の結果を発表した。首位はジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)だったが、拒絶率が支持率の倍に達し、決選投票では3人の候補に敗退、ルーラ氏の代替候補予定のフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)とも引き分ける結果となった。6日付エスタード紙が報じている。
今回の調査は、ルーラ氏の大統領選出馬無効が高等選挙裁判所で決まった直後の1日~3日に行われ、ボルソナロ氏が22%で1位だった。
2位はマリーナ・シウヴァ氏(REDE)の12%だったが、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)が9%から12%に支持を伸ばし、2位タイとなった。
マリーナ氏、シロ氏はかねてから、ルーラ氏が出馬無効の際の受け皿と予想されていた。
1日からの政見放送では持ち時間が最長のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)は、7%から9%に上がって4位。さらに、今回からはPTの大統領候補と判断されたハダジ氏が4%から6%に支持率をあげた。
以下、右派の新政党勢のアルヴァロ・ジアス氏(ポデモス)と、ジョアン・アモエド氏(ノーヴォ)が3%で6位争いを行い、現与党の民主運動(MDB)の候補で前財相のエンリケ・メイレレス氏が2%で8位となっている。
首位となったボルソナロ氏に関しては、良い知らせばかりではない。同時に行われた拒絶率の調査の結果が、前回調査の37%から、同氏の支持率の2倍にあたる44%に跳ね上がったからだ。
ボルソナロ氏は8月末に、講演会で子どもに銃を撃つ真似をさせたことや、グローボ局出演の際に批判した、公立校の同性愛教育に使っているとされた本が実際には使われていなかったことなどで批判を受けていた。さらに、1日からは、PSDBの政見放送で、同氏がマリア・デ・ロザリオ下議に乱暴な物言いをした様子を映した映像も流されはじめていた。
他の有力候補の拒絶率は軒並み20%台であることを考えれば、44%という数字は抜きん出ている。
また、決選投票(2T)のシミュレーションでも、ボルソナロ氏は、マリーナ氏に33%対43%、シロ氏に33%対44%、アウキミン氏に32%対41%と、いずれも10%ポイント前後の差をつけられる形で敗れている。
また、正式に正候補として登録される前の段階のハダジ氏とも、37%対36%と、実質上の引き分けに終わっている。