ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》大統領選でハダジの支持率が急上昇=ボルソナロと直接対決の様相=両者共に拒絶率も抜群=切り崩したいアウキミンら

《ブラジル》大統領選でハダジの支持率が急上昇=ボルソナロと直接対決の様相=両者共に拒絶率も抜群=切り崩したいアウキミンら

17日のハダジ氏(Ricardo Stuckert)

17日のハダジ氏(Ricardo Stuckert)

 18日に発表されたブラジル世論調査・統計機関(イボッピ)の世論調査の結果によると、フェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)の支持率が急増しており、ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)との一騎打ち状態となっている。他候補たちはこの状態を打破する準備に入っている。19日付現地紙が報じている。

 イボッピが18日付で発表した世論調査は16~18日に行われたもので、ボルソナロ氏が引き続き1位だった。しかし、支持率の伸びは、11日に発表された前回調査時の26%から28%にと、2%ポイント上がったに過ぎなかった。
 対して、11日に正式にルーラ元大統領から候補交代となったハダジ氏の支持率は19%。前回調査の8%から一気に11%ポイントも上げ、2位グループから抜け出した。
 3位に落ちたシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は支持率が11%で横ばい。1日からの政見放送開始直後は支持率を9%まであげていたジェラウド・アウキミン氏(社会民主党・PSDB)は7%に低下して4位。前回から既に落ち込みが目だっていたマリーナ・シウヴァ氏(REDE)は、前回の10%からさらに4%ポイント下がり、6%となった。
 また、ハダジ氏は決選投票のシミュレーションでも票を伸ばしている。ボルソナロ氏対ハダジ氏の場合、前回調査まではボルソナロ氏がリードしていたが、今回は40%対40%で、全くの5分となっている。
 今回の調査結果を受け、メディアは「大統領選はボルソナロ氏とハダジ氏の一騎打ち」と銘打ちはじめている。
 今回の選挙は、収賄などで有罪、服役になっても依然として圧倒的な支持を受けるルーラ元大統領と、その痛烈な批判者として人気を高めていたボルソナロ氏の対決図式で進んでいた。
 ただ、差別主義的な過激発言で拒絶率も42%と圧倒的に高いボルソナロ氏と、元々拒絶率が50%近かったルーラ氏の後を正式に受けたため、拒絶率も29%に跳ね上がったハダジ氏の対決に疑問を抱く声もある。
 アウキミン氏は、その層を狙いに行く構えだ。18日に放送された政見放送では、「かたや、罷免されたジウマ大統領が所属し、共産主義に染まった、ラヴァ・ジャット作戦を止めようとする党、かたや、強い偏見を持ち、ネットでまで女性を差別しようとする勢力」として、ハダジ、ボルソナロ両氏を強く批判した。
 この放送の方針は、アウキミン氏と連立を組んだ、セントロン系中道右派政党のリーダーたちの要望で決まったという。
 また、シロ氏も、「この国はボルソナロ氏とPTの対決という次元の低さには値しない」と発言。政局二極化の打破を狙い始めている。