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ブラジル人がポルトガルで妊娠中絶=年間400人前後が実施

 中絶を合法的に行うために、海を渡ってポルトガルへ行くブラジル人女性が目立っていると、20日付現地紙が報じている。
 ポルトガル保健省が最近発表したデータによると、中絶が合法化されている同国では、2016年に1万5400人の中絶を記録したが、そのうちの379人は、ブラジルから来た観光客によるものだったという。
 また、この数はこの年が最高だったわけではなく、少なくとも14年には426人、15年には441人を記録していたという。中絶者を国籍別に集計するようになったのは14年からだ。
 ポルトガルでは2007年に、妊娠10週までの中絶が合法化された。中絶が可能な対象は同国民だけでなく、外国人や観光客であっても、許可申請もなく受けられる。
 外国人が中絶する場合の費用は様々で、同国在住の外国人女性が公立病院で中絶を行う場合の費用は無料だ。観光客の場合は経費がかかるが、私立病院でも、薬を使った中絶の場合は500ユーロ(2410レアル)、全身麻酔をかけて中絶手術を行う場合も570レアル(2750レアル)で済むという。
 また、中絶手術も安全で、2011年以降、手術の失敗による死者は記録されていない。私立病院で中絶する人の大半は手術を希望するが、公立病院で中絶する人は薬を使うという。同国での中絶処置の70%は手術を伴わない形で行われているという。
 ブラジルの場合、「胎児が無能症」「出産をすることが母親の体に生命の危機をもたらしうる場合」「強姦による妊娠が確認されるとき」の三つの場合に限り、妊娠中絶が認められる。最高裁では、妊娠12週間までの中絶を合法化するか否かの議論が行われているが、いつになったら結審にいたるのは不明。そうした法的な事情が、ポルトガルで合法的に中絶するという選択につながっているようだ。
 また、ポルトガルでも、2007年に中絶が合法化されるまでは、スペインまで行って合法中絶をする女性が多かったという。