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《リオ州》荒れる公立校の実態暴露=黒人教師の動画が流れて問題に

 リオ州の公立校の黒人教師が18日の授業中に学生たちから受けた暴行や侮辱的な態度を録画した動画がソーシャルネットワーク上で流れ、問題となっている。20、21日付現地サイトが報じている。
 暴行などの被害に遭ったのは、リオ州沿岸部リオ・ダス・オストラス市立メストレ・マルサル統括校の教師のチアゴ・ドス・サントス・コンセイソン氏(31)だ。
 コンセイソン氏は18日、9年生(日本の中学3年生)のテスト中、教室で監視していたが、不真面目な生徒たちが次々と挑発的な行動をとった。学生たちは大声ではしゃぎ、板書中の同氏に背後からポシェッチを投げつけ、答案用紙を破り、同氏の体を押し、暴言を吐いたり、「2度と授業なんかできるものか」と脅すなどの暴挙に出た。
 この模様は別の生徒によって録画され、約3分間に編集された後にネット上に流された。動画はたちまち話題となり、グローボ局のニュースでも放送され、注目度が一気に高まった。
 同氏は以前から、校長らに申し立てを行っていたという。「動画の中には、私が教室の入り口から助けを求めたが、誰も応じようとせず、話を聞こうともしなかった様子も映っている。仕方なく、教材を纏め、校長らと話そうと教室を出たが、この学校の校長や教頭は運営のことしか考えておらず、授業を見にきたことなど一度もない」「市の教育局にも行ったが、副局長と話しても埒が明かず、学校を辞めてはとの提案がなされた」と語っている。
 同氏は実際に辞表を提出しており、生徒からも脅迫されているから、リオ・ダス・オストラス市には住めないとまで言っている。
 この動画でポシェッチを投げ、「2度と授業なんかできるものか」と発言した少年は、その後に謝罪のビデオを作ったりしたが、コンセイソン氏によると、生徒たちがやったことはいたずらの域を超えていたという。
 同氏によると、「〃おまえ、あの先生、殺すの?〃、〃殺せ〃などという会話さえあった。これもビデオに録画されている」という。また、生徒の中には以前から、コンセイソン氏に対して人種差別的な行動をとる生徒がいたという。
 市警は20日、同件に関する捜査を開始した。