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《ブラジル》辞職する労働者の割合増加=雇用創出はプラスの可能性も

 労働省が24日、全就労・失業者台帳(Caged)によると、1~8月に辞職した労働者は225万3千人で、何らかの理由で離職した労働者の23%に達したと発表したと同日付現地紙サイトが報じた。昨年同期は、離職者の21%にあたる210万5千人が辞職していたから、辞職者の割合は増えている。
 他方、1~8月の雇用総数は56万8551人分増えており、この分、雇用が創出された事になる。通年の雇用総数もプラスで終る見込みだ。
 雇用創出は新規採用者数から離職者の数を引いたものだから、新規採用者数は辞職者も含めた離職者より多かった事になる。この数字には、新しい仕事を始めるために辞職したケースと、解雇された人や失職中だった人、新規卒業者などが新しい仕事を見つけたケースの両方が含まれている。
 景気や雇用の回復が期待されたほどでなく、以前の給与より少ない給与でも就職する人も増えているため、仕事を取り替えるための辞職はまだ増えると見られている。
 求人数が多く、容易に職が得られていた頃は、仕事を取り替えるために辞職する人が離職者の30%に及んだ時期もあった。この割合は、不況で就職が困難になってからは20%まで落ちていたが、昨年は雇用創出が2万人分のマイナスだったのに、辞職者の割合が増えていた。
 ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所の調査員のフェルナンド・デ・オランダ・バルボーザ・フィーリョ氏によると、仕事を取り替える事で恩恵を受けるのは、仕事の内容や段取りを良く知っている労働者だ。
 Cagedは正規雇用者のみの統計で、非正規雇用者も含む、地理統計院(IBGE)の発表する数字とは若干異なる数字が出る可能性がある。