26日、最高裁大法廷で、選挙人登録の更新を怠った有権者340万人の今年の選挙での投票権に関する審理が行われ、判事投票7対2で認めないことが決まった。選挙人登録が抹消された有権者は全有権者の2・4%ではあるが、ブラジル北東部に多く、同地域に強いフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)には不利な判断となりそうだ。27日付現地紙が報じている。
選挙人登録の定期更新は全ての有権者に義務付けられている。指紋登録を含む更新作業を怠った場合や、3回連続で投票せず、選挙人登録がされている登記所でその理由を釈明しなかった場合は、選挙人登録が抹消される。今回の選挙では、期間中に登録を更新していないなどの理由で、登録が抹消された人が340万人いるという。
今回の審理は、ブラジル社会党(PSB)の訴えによって起こったものだ。同党の主張だと、この登録抹消者のほとんどは貧しい地域に住んでいる人たちで、情報不足で更新が出来なかったとしているためだ。
実際、選挙人登録の更新を怠ったりして登録を抹消された人の約半数、54%が北部、北東部の在住者だという。
だが、この日、報告官をつとめたルイス・ロベルト・バローゾ判事は、「これまでにこうした事例が問題になったことはない」とし、「選挙で特定の候補が有利になったり不利になったりするとは考えにくい」との理由で、登録抹消者の投票を認めないとした。
これを、アレッシャンドレ・モラエス、エジソン・ファキン、ルイス・フクス、カルメン・ルシア、ジウマール・メンデス各判事とジアス・トフォリ長官の計6人が支持した。反対は、リカルド・レヴァンドウスキー、マルコ・アウレーリオ両判事のみ。高等選挙裁判所の長官でもあるローザ・ウェベル判事と、セウソ・デ・メロ判事の2人は欠席だった。
全国の有権者の総数は1億4730万人で、340万人という数はその中の2・4%に過ぎない。また、この中には物故者や国外へ引っ越した人も含まれているため、実際の総数はそれより少ないことになる。
だが、北東部にはその中の150万人が住んでおり、現時点では、同地域での支持率が26%で1位のハダジ氏には不利であることは否めない。
また、この数字は、接戦のときなどの結果を微妙に左右する可能性も残している。たとえば、2014年の大統領選の決選投票でアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)がジウマ氏(PT)に敗れたときの得票差は、僅か350万票だった。
今回の判決に関して、調査機関のダッタフォーリャ代表のレナタ・ヌーネス氏は、「多くの人が自分では気がつかないうちに登録抹消となっている状況だから、正確に世論調査を行うのが難しくなる」と語っている。