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IWC総会、商業捕鯨再開否決=谷合副大臣「あらゆる選択肢を検討」

総会でスクリーンに映し出された谷合副大臣(谷合副大臣ツイッターより)

総会でスクリーンに映し出された谷合副大臣(谷合副大臣ツイッターより)

 国際捕鯨委員会(IWC)の「第67回総会」が、今月10~14日にサンタカタリーナ州都フロリアノポリスで開催された。日本政府は、今会合で一部鯨種の商業捕鯨再開を含んだ改革案を提示していたが、反対多数で否決された。総会を終え、16日にサンパウロ市を訪れた谷合正明農林水産副大臣に話を聞いた。
 今総会は、森下丈二議長のもとで開催。鯨の保護推進を訴え、商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)継続を謳う「フロリアノポリス宣言」を巡って捕鯨支持国、反捕鯨国が激しく対立したが、賛成多数で採択。日本の改革案も否決された。
 今回、日本政府は資源の豊富な一部鯨種の商業捕鯨再開に加え、「重要事項」の決定手続きの要件緩和を合わせて提案した。採決には4分の3以上の賛成を要する高いハードルが課されており、それによってIWCが長年に及び機能不全に陥ってきたためだ。
 谷合副大臣は「保護と持続的利用という本来の目的を取り戻すべく、30年以上に及んで取組んできた一つの結実として、改革案を提出、採択に向けて全力で取組んできた。反捕鯨国、持続的利用支持国の双方が共存できる案であると訴えたが、その共存すら認められない結論であって、極めて残念だ」と話した。
 今後の政府の対応については、「商業捕鯨の早期再開に向けて、法と科学に基づきしっかりと行っていくことに変わりはない。IWCと我が国の関係見直しを含め、あらゆる選択肢をしっかりと検討してゆく」として、IWC脱退の可能性も示唆した。
 今総会においては、日本が提案した商業捕鯨再開は認められなかった一方、今後6年間の先住民捕獲枠が4分の3以上の賛成で可決された。
 谷合副大臣は「持続的利用という観点に立てば、先住民であれ商業捕鯨であれ根底にあるものは一緒であり、認められるべきだと主張してきた。だが、商業捕鯨になった途端、理屈がなく一切ダメになる。その理由が分からないので今日に到っている」と隔靴掻痒の感を示した。
 当地では、同総会開催に向けて在聖総領事館前で、反捕鯨小規模デモも行なわれた。だが、「(捕鯨を巡る)日本とブラジルの立場は全く違うが、広い意味での日伯関係は良好であり、これからも良好であり続ける。今回の件が、両国関係の障害になることはない」と強調した。