ヴェージャ誌が28日発売の最新号で、大統領選支持率1位のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)が2008年に前妻アナ・クリスチーナ氏と離婚訴訟を起こした際、アナ氏から疑惑の個人資産急増や、アナ氏の金庫からの現金強奪疑惑、収入の不正申告疑惑を報告されていた事実を公表した。28日付同誌が報じている。
この報道は、ヴェージャ誌が家庭裁判所に公開を申請し、許可を得て入手した、2008年の離婚裁判に関する500頁以上にわたる報告書などに基づいている。
それによると、この裁判では、ボルソナロ氏にまつわるいくつかの不正疑惑を、アナ氏が証拠つきで暴露していた事実が判明した。
まず、ボルソナロ氏が2006年に下院議員選に出馬した際、個人資産の額を大幅に低くして高等選挙裁判所に申請していたことだ。同氏が申請した資産額は43万3934・48レアルだったが、アナ氏によると、持ち家など計17の資産があり、その合計は400万1451・31レアル。これらからは賄賂を別の資産にして渡されたことが疑われる。
ボルソナロ家の急速な資産増大は、今年1月にフォーリャ紙でも報じられている。
また、アナ氏は07年10月26日に、ボルソナロ氏がブラジル銀行にあるアナ氏名義の金庫から60万レアル相当の宝石類と現金(3万ドル+20万レアル)を盗んだとして、警察に被害届を出している。
ヴェージャ誌は、ブラジル銀行役員のアルベルト・カラス氏が、警察で「夫婦は同行内に別々の金庫を持っていた」が、アナ氏の金庫は空になっていたと供述したことも調べあげている。
また、アナ氏は、この当時のボウロナロ氏は月収が10万レアル以上あったにも関わらず、大幅に低く申請を行っていたことも暴露していた。当時、ボルソナロ氏が受け取れるはずの月給は、下院議員としての給料と軍の退職金の3万5300レアルのはずだった。
また、離婚の原因としては、ボルソナロ氏の強い癇癪癖があげられている。これに関しては23日付フォーリャ紙も、アナ氏がボルソナロ氏との間に生まれた幼い子どもを連れてノルウェーで生活していたのが、「殺されると脅されているからだ」と本人が供述したという報道を行っている。
27日のボルソナロ氏は、副候補のアミウトン・モウロン氏が南大河州での講演会で13カ月給や有給休暇を批判する発言を行って物議を醸したため、それへの対応に追われていた。