1950年代に一世を風微し、長きにわたり活躍してきた女性歌手、アンジェラ・マリアが9月29日、入院先のサンパウロ市の病院で心不全のために亡くなった。89歳だった。1日付現地紙が報じている。
1929年にリオで生まれたアンジェラは、18歳だった1947年から歌手活動をはじめた。
彼女は早くから注目を集め、その歌声はこの当時全盛だったラジオに乗ってよく流れ、次第に「ラジオの女王」との異名を取ることになった。
彼女は、この当時の流行のサンバ、「サンバ・カンソン」の主要な歌い手として、ノラ・ネイやマイーザ、ドロレス・ドゥランといった女性歌手たちと共にヒット曲を飛ばし、音楽界をにぎわせた。
また、1955年からは映画にも頻繁に出演し、人気絶頂だった1956~57年には年に5~6本出演するなど、銀幕でも人気ものだった。
彼女はエリス・レジーナやマリア・ベターニアといった後の大物女性歌手が、その影響源として頻繁に名前を挙げる存在でもあった。
近年も元気に活動を続け、2017年にはアルバムも発表していた。