日本たばこ産業株式会社(JT、丹呉泰健取締役会長)が先月26日、南大河州サンタクルス・ド・スル市に設立した新工場の開所式を行なった。投資額は約8千万レ(約23億円)。同社は2000年に初のブラジル販売拠点を設け、現在では国内9州に原料である葉たばこの加工工場を持つ。
同市の加工工場にたばこの生産ラインを導入することにより、同社にとって南米初の紙巻きたばこの製造工場となった。製造するのは国内でも販売されている「ウィンストン」や「キャメル」といったブランド。現地で製造することにより、競争力を高める狙いだ。
南日伯文化援護協会の和田恵子さんと渡邊優紀(ゆき)さんの通信によれば、同日披露パーティーが開催され、新たな工場の一角がきらびやかな空間に変身した。開会セレモニーでは、JTの岩井睦雄代表取締役副社長が開業の喜びと、今後もサンタクルス・ド・スル市や南大河州に貢献していきたい旨を述べた。また、同市長や州の代表者角田スザナ氏が約400人の雇用創出に対し感謝の意を表した。
同社は南大河州日本祭りにも出資協力している。JTの岩井氏やサンタクルス・ド・スル市長、在クリチバ日本総領事館の木村元(はじめ)総領事らが日本祭りの法被を羽織り、日本の伝統にならって酒樽の鏡開きを行った。
セレモニー終了後、来場者は管楽団による生演奏、ライブペインティング、飲食を楽しんだ。また工場見学ツアーも行われ、同社員の説明を聞きながら製造過程を見学した。
機械のほとんどは他国で使用された中古とのことだが、きれいにメンテナンスされ、明るく清潔な工場内で次々にたばこを生産していた。