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幼い時に受けた性的虐待は次世代にも影響?

 幼い頃受けた性的虐待の影響は心や体の傷となり、一生残ると何度も聞いて来たが、カナダと米国の大学による研究で、その傷は遺伝子にも残り、次世代にも伝わる事が判明と3日付エスタード紙が報じた▼その記事を見、長女が昔、「幼少時に肺炎を患うと成長後も肺炎を患う確率が高いから注意するように」と知り合いから言われた事を思い出した。コラム子も幼い頃、日本で肺炎が悪化し、吹雪の中を病院に連れて行かれた事がある。農林高校の果樹園の脇道を下る母の背中から見た、雪で白く覆われた光景は脳裏に焼きついている。気管支系が弱く、幼少時はよく発熱し、肺活量も少なめ▼それが、愛煙家だった父のそばで受動喫煙したせいかもと思ったのは成人してからだ。学生時代は心理学もかじり、幼少時の体験や経験がその人の人格や行動、健康状態などに影響する事や、子育てを通してその影響が子供に及ぶ事はよく聞いた。だが、幼少時の性的虐待が遺伝子情報にも影響し、次世代にも残るとの記事は驚きだった▼その衝撃に輪をかけたのは、サンパウロ州で起きた、父に強姦され続けていた13歳の少女が、刑務所を前日出た父に殺された事件だ。妻は娘と自分の妹を強姦されて離婚届を出していた。そこを訪ねた男性は、妻が警察に通報しようとしているのを見て暴行。逃げ出した妻からの通報で警官が現場に急行したが、途中で会った6歳の弟から「父が姉を刺した」と知らされた▼問題の男性の幼少時やその両親の過去は知らないが、遺伝子に影響を残すのが性犯罪だけとは思えない。6歳の弟にどんな影響が残るかも含め、種々の事件防止対策と被害者へのケアをと願わされる。(み)