大統領選はジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)とフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)の2人で争われる様相がより濃くなって来ているが、ボルソナロ氏がより優勢な状態で進んでいるようだ。4日付現地紙が報じている。
週明けは支持率を下げたハダジ氏も、4日発表のブラジル世論調査・統計機関(イボッピ)の調査では21%から23%に支持率を持ち返し、31%から32%への上昇に止まったボルソナロ氏との差を少し詰め、決選投票でのシミュレーションも43%対41%でリードした。
他方、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)やジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)の支持率は10%と7%に微減し、上位2人との差は開く一方だ。
このようにボルソナロ氏とハダジ氏の対決色が強まってはいるが、ボルソナロ氏に有利に進んでいる。それはここに来て、福音派を中心に、ボルソナロ氏への支持を表明する動きが広がっているからだ。
下院の福音派グループのコーディネイター、ヒデカズ・タカヤマ下議(キリスト教社会党・PSC)は、ボルソナロ氏の支持に関して、「家族の価値を大事にする候補でもあり、必然的に支持することになるだろう」と発言した。
また、福音派の宗教団体の大物指導者も、ここに来て続々とボルソナロ氏の支持に回っている。ウニベルサル教会のエジル・マセド司教や、アセンブレイア・デ・デウス教会のジョゼ・ウェリントン牧師、キリストにある使徒再生教会代表のエルナンデス夫妻などがその例だ。
イボッピの調査によると、ボルソナロ氏の支持率は一般的には32%だが、福音派の間では40%に上るという。ハダジ氏は、21%の支持率だが、福音派の間では15%に止まっている。
一方、ハダジ氏の陣営では、先週末にかけて同氏の不支持率が40%前後にまで急増したのは、福音派の人たちに向けられた同氏に関するフェイクニュースが原因と見ている。それは「ハダジ氏が学校でゲイ教育を施し、子どもたちを同性愛者にしようとしている」「ハダジ氏はコロンビア革命軍(FARC)の支持を受けている」などといったもので、ハダジ氏は高等選挙裁判所にこれらの情報の取り下げを求めている。
また、PT内ではボルソナロ氏に一次投票で敗れることを懸念する声があがっており、ハダジ氏に「憲法改正など、急進的なことは言わないように」などの進言を行いはじめているという。