7日の統一選一次投票で、ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)がフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)に16・5%ポイントの差をつけた事や、PSLが連邦議会で議席数を増やした事に、8日の市場が好感を示したと9日付現地紙が報じた。
サンパウロ平均株式指数(Ivobespa)は8日、先週の終値を4・57%上回る8万6083ポイントで引けた。この上げ幅は、16年3月17日以降の最大値だ。サンパウロ株式市場では、1日発表のブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の世論調査の結果と、2日発表のダッタフォーリャの調査結果で、ボルソナロ氏優位とハダジ氏への拒絶率上昇が確認された事で指数が上昇。4、5日は、国際市場の動きを反映して少し下げたが、8日は上昇に転じた。
一方、為替も、先週の終値より2・35%ドル安レアル高の1ドル=3・7670レアルで引けた。ドルは9日も弱含みで、昼前の時点で0・50%安の3・7475レアルをつけた。午後4時の為替は3・7103レアルとなっている。
これらは皆、ボルソナロ氏が大統領選で優位に立った事や、PSLが下院の議席を51増やして第2党になった事などを受けた動きだ。PSLの議席増は、議会の保守化につながるとみなされ、ボルソナロ氏当選の場合の議会工作がより容易になるとの見方を生んだ。
市場は、ジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)の支持率低迷に気付いた時点で、ボルソナロ陣営で経済を担当するパウロ・ゲデス氏のリベラルな方策への支持を強めている。
ゲデス氏の方策はまだ具体的ではないが、決選投票進出が決まった7日夜、ボルソナロ氏が、息子や副候補とではなく、ゲデス氏と共に会見に臨んだ事で、市場関係者らはゲデス氏の方策が次政権で実際に採用されるとの思いを強くした。
この会見の場で出た、減税と50の公社民営化案や、公社民営化で国庫に1兆レアルが入って来るとの説に疑問を呈する市場関係者は確かにいる。だが、現政権同様に民営化を進めるとの見方は1日以降さらに強まり、ブラジル銀行やペトロブラス、エレトロブラスなどの株は高値が続いている。
もちろん、決戦投票の結果は不明だが、市場では、ボルソナロ氏が優位なままなら株式指数は9万ポイントに達する可能性があり、当選すれば10万5千ポイントに達するとの見方も出ている。
ただ、ボルソナロ氏当選の場合も、市場が望んでいる社会保障制度の改革を19年前半に行うのは困難と見られている。また、当面は、景気回復の動きも緩やかとの見方が強い。
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