7日に行われた統一選挙一次投票では251人の連邦下院議員が再選を果たしたが、現テメル政権(民主運動・MDB)が達成した2大経済改革に全て賛成の意思を見せていた議員は、再選251議員中半数以下の108人に止まったと、14日付現地紙が報じている。
現政権の経済政策に賛成の意思を示していた諸政党は、MDBの33%減や民主社会党(PSDB)の41%減のように、おおむね議席を失っている。
この結果は、来年からの新政権も、経済改革路線を進めるために議会の多数派工作において大きな苦労を強いられる事を示している。
テメル政権は、本命の社会保障制度改革にこそ失敗したが、2016年には歳出上限法を成立させ、翌17年には労働法改革を成し遂げた。
ただし、再選された251下議中、両方に賛成したのは108人で、両方に反対票を投じた下議も65人いた。個別に見ると、歳出上限法に賛成したのは251人中144人で、72人が反対、34人は欠席だった。労働法改正案は120人が賛成、90人が反対、40人が欠席だった。
下院議会のデータによると、今年の選挙では全議席の47・3%が入れ替わった。この比率は、2002年からの5回の選挙で最大だった。
両改革法案に賛成していた17政党は、7日の一次投票前は合計374議席を持っていたが、選挙後は343議席に減った。これは、PSDBとMDBの大幅議席減によるところが大きい。
現時点では28日の大統領選決選投票で優勢と報じられているボルソナロ氏が所属する自由社会党(PSL)も、「改革路線支持」の17政党に含まれている。PSLの8議席から52議席への大幅議席増をもってしても、改革路線支持勢力は減少した。
新規選出議員たちの動向はまだ不透明なため、ボルソナロ政権が発足した場合、同氏は、政党の指示に逆らって反対票を投じたり、欠席したりした再選議員の説得に努める必要がある。下院第2党に躍進したPSLも、テメル政権連立与党の一員ではあったが、社会保障制度改革には反対していたため、社会保障制度改革成立のためには方向性の変更が求められる。
ボルソナロ政権が発足した際は官房長官就任が確実視されている民主党(DEM)のオニキス・ロレンゾーニ下議(再選済み)は、社会保障制度改革はまだ新政権の計画に入っていないとし、「全ては年が明けてから。市場の思惑に押されて軽率な事を言い、新政権が罠に陥るわけにはいかない」と語っている。