ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》PSLの当選者の過半数は政治未経験=ボルソナロ人気で大躍進=警官と軍人で21人占める=新右翼活動家たちも10人

《ブラジル》PSLの当選者の過半数は政治未経験=ボルソナロ人気で大躍進=警官と軍人で21人占める=新右翼活動家たちも10人

ボルソナロ氏(Fernando Frazão/Agencia Brasil)

ボルソナロ氏(Fernando Frazão/Agencia Brasil)

 7日の下院議員選で大躍進した、大統領候補ジャイール・ボルソナロ氏の社会自由党(PSL)の新下議の内訳を見ると、過半数以上は過去に選挙の経験がなく、警察や軍人、右翼の活動家などが多数を占めていると、15日付フォーリャ紙が報じている。

 PSLは現在、下院議員はわずか8人しかいない。だが、今回の選挙では一気に52人に議席を増やし、下院の第2党となった。ボルソナロ氏の人気に導かれてのものだが、こうした政党の躍進は、民主政治が復活した1989年以降の選挙以来、はじめてのことだ。
 その52人の内訳を見てみると、再選した議員は、ボルソナロ氏の三男で、サンパウロ州からトップ当選したエドゥアルド氏をはじめとする3人のみに過ぎず、逆に今回が初出馬で政治経験のない人が30人にも及んでいる。
 52人のうち、21人は「企業家、公務員」で、政治家として多いタイプの人物だが、そのうちの10人が新人政治家だ。その中にはマット・グロッソ州でトップ当選した牧畜企業家のネウソン・バルブード氏も含まれる。同氏は反左翼の農業保護運動を展開し、ネット上で多くの支持者を得ていた。
 また、16人が警察官(軍警、市警、連警の合計)となっており、ここにも新人が10人いる。黒人差別のイメージの強いボルソナロ氏だが、ここでは6人の黒人(パルド4人、プレット2人)を出している。
 さらに、ボルソナロ氏同様に軍隊出身の下議は5人。その中には、「ボルソナロ」の登録名を使い、リオ州でトップ当選を果たした、黒人の副中尉、エーリオ・バルボーザ・ロペス氏も含まれている。
 また、残る10人は、俗に「新右翼」と呼ばれている人たちで、いずれもジウマ元大統領の罷免運動が盛り上がってきた当時、活動家として注目を浴びた人たちだ。
 その中には女性ジャーナリストで、自身のビデオ・メディアを立ち上げて話題となったジョイセ・ハッセルマン氏や、元ポルノ男優のアレッシャンドレ・フロッタ氏なども含まれている。
 フォーリャ紙によると、PSLの党員はかなり保守的傾向が強いという。同紙はその一例として、リオ州で当選した弁護士でカトリック信者のクリスチアーネ・トニエット氏をあげている。同氏は8月に最高裁の公判に出席した際、ルイス・バローゾ判事が中絶する権利を認める発言を行ったのに対し、現行法が認める「中絶の条件」を擁護した。彼女はその公判で、「国民の大半は中絶に反対している」とし、同件に関する最終決定権を、議会に持たせるようにも主張した。