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《ブラジル》大手食肉企業の品質不正疑惑=著名企業家のアビリオ・ジニス氏も告発

アビリオ・ジニス氏(Peninsulapart)

アビリオ・ジニス氏(Peninsulapart)

 パラナ州連警は15日、著名企業家のアビリオ・ジニス氏他42人、計43人をカルネ・フラッカ作戦関連捜査のトラパッサ作戦により、詐欺、犯罪組織形成、公私文書偽造罪、反公共保健罪で告発したと、15、16日付現地各紙・サイトが報じた。
 ブラジル食肉大手企業のJBSやブラジルフーズ(BRF)などが、食肉の品質検査において不正を働き、国内消費者だけでなく、輸出先の各国にも損害を与えた事件を暴く目的のカルネ・フラッカ作戦は、昨年3月に発動した。その第三次作戦がトラパッサ作戦と呼称されている。
 BRFは世界有数の食品企業で、ブラジル国内ではサジア、ペルジゴンなどを傘下におさめている。ジニス氏は2013年4月から今年の4月まで経営審議会議長の座にあり、社内で不正が行われていたとされる時期(2012―15年)と一致する。ジニス氏以外には、BRF国外部門の社長だった、ペドロ・ファリア氏らも告発された。
 告発状には、BRF傘下の四つの食肉加工工場で、基準値を超えるバクテリアが検出されていたのに、その事実を隠匿したと記されている。隠匿の目的は、韓国、スイス、EUなど、12の国と地域へ、本来認められていない品質の製品を輸出することだ。これら12の国と地域へのBRF製品の輸出は、現在も停止されている。
 連警は、容疑者間のメールや通信アプリによる会話を分析した結果、不正行為には、現場作業員や工場長だけでなく、BRF社幹部も関わっていたと結論付けている。
 ジニス氏は「BRF経営審議会議長として、いかなる不正も行っていない。連警の報告書にも違法行為を裏付ける証拠はない。起訴、不起訴を決めるのはあくまで検察」との声明を発表した。