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ブラジルで大麻関連事業会社勃興=流通合法化見据え先行投資

大麻(ノーザンライト種の麻)の花冠(ウィキペディア)

大麻(ノーザンライト種の麻)の花冠(ウィキペディア)

 2013年に大麻(学名カンナビス)の栽培と販売が公認された南米ウルグアイでは、昨年7月から、指定された薬局限定で、登録済みの市民への大麻販売も認められている。
 また、米州大陸ではカナダ、コロンビア、メキシコ、ペルー、並びに米国内の20州以上で大麻流通合法化への動きが出ており、ビジネス・チャンスが発生している。
 カナダの大麻会社の株価が、上場2カ月で500%も上昇するなど、大麻市場は過熱しており、ブラジルでも、将来の法令改定を見越して大麻会社が設立されたり、ブラジル国外に大麻会社を興したりといった動きが出ている。
 その一つはヴェルジ・メッド・カンナビス・ラテン・アメリカ社だ。家庭用の清掃、衛生用品会社のボンブリル社社長から転進したジョゼ・バチェラー氏(53)が、同社社長を務めている。
同氏は「2022年までに、大麻部門に8千万ドルの投資を行いたい」と語る。
 ブラジルでは大麻の売買は違法で、大麻や麻の薬物成分カンナビノイドの一種で、治療抵抗性のてんかんの発作を抑える作用などがあるカンナビジオールの薬事利用だけが認められている。
 国家衛生監督庁(Anvisa)は、登録者限定でのカンナビジオールの個人輸入を認めているが、高額な上に入手まで時間がかかる。
 カンナビジオールの個人輸入者は、月に平均3千レアル支払っているとされているが、これを国内で生産すれば価格は80%下がるという。
 ブラジルでは現在、英国製のサティベックス(ブラジル名・メヴァチル)と呼ばれる経口投与用スプレーだけが、流通を認められている。このスプレーはカンナビジオールとテトラヒドロカンナビノール(共に大麻由来の成分)を含有する医薬品で、多発性硬化症に伴う疼痛緩和用の鎮痛剤として使われる。
 ヴェルジ・メッド・カンナビ・ラテン・アメリカ社は、「大麻由来成分を含む医薬品のブラジル国内流通許可獲得」と「その後の医薬品の販売」を業務内容としていく予定だ。(14日付エスタード紙より)