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刺青や大麻に対する受け止め方の違い

 ホームレスの男性に密着取材したNHKの番組で、首筋や袖口にも刺青を覗かせた青年が、「刺青をしている人が全て悪人ではないと知ってもらいたくて、善行を心がけている」と語っていた。確かに日本ではまだ、刺青は極道などと結び付けて考えられるんだろうなと思い、文化の差を感じた▼ブラジルでの刺青は、おしゃれや意思表示の一つでもある。中には、自殺防止月間にちなんだ図柄を選び、刺青代をキャンペーンに寄付するケースや、一定の図柄の代金を動物愛護団体に寄付する刺青師もいる。また、緊急時用に、糖尿病患者である事や血液型を刺青で示す人や、ひいきのサンバチームのロゴや恋人の名前などを入れる人もいる▼無論、刺青を入れるには年齢制限もあるし、インクの質なども問われる。また、刺青をしている人は採用しない企業や職種もあるから、ブラジルも諸手を挙げて刺青賛成といっている訳ではない。一度入れた刺青は容易にはとれないから、入れる前に熟慮する事も必要だ▼国による文化や思考の差は、大麻への反応でも感じる。17日は、カナダが個人で楽しむための大麻の売買や栽培を合法化した。同様の目的での売買や栽培の合法化はウルグアイに次ぎ、世界で2番目だ。ブラジルはまだ合法化には至ってないが、個人で楽しむための大麻所持なら警察にも捕まらないと聞いた事がある。合法化すれば密売に伴う犯罪行為が減るという意見や、カルドーゾ元大統領も合法化賛成派、大麻合法化を訴える行進が毎年行われるといった情報は、日本から見れば驚きだろうが、ここでは日常茶飯事。慣れて何も考えなくなるのは怖いが、文化の差を認める事は異国居住者の宿命だ。(み)