ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》連警が港湾令疑惑でテメル氏を告発=実娘や親友のリマ氏と共に=サントス港運営企業が贈賄か=最高裁バローゾ判事が判断へ

《ブラジル》連警が港湾令疑惑でテメル氏を告発=実娘や親友のリマ氏と共に=サントス港運営企業が贈賄か=最高裁バローゾ判事が判断へ

テメル大統領(Marcos Corrêa/PR)

テメル大統領(Marcos Corrêa/PR)

 連邦警察は16日、テメル大統領と実娘のマリステラ氏、テメル氏の親友で退役軍人のジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ氏ら11人を、17年5月に出した港湾に関する大統領令にまつわる容疑で告発すると共に、リマ氏ら4人に対する一時逮捕請求を最高裁へ行った。17日付現地紙が報じている。

 告発されたのは、テメル大統領はじめ、マリステラ氏、テメル氏の元側近で昨年5月のJBSショック後は「カバンの男」と呼ばれて話題となったロドリゴ・ロシャ・ロウレス氏、港湾企業ロドリマール社役員のアントニオ・グレコ氏とリカルド・メスキータ氏、リブラ・グループ役員のゴンサロ・トレアウバ氏、ジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ氏とその妻のマリア・リタ・フラテジ氏、アルジェプラン社役員のカルロス・アルベルト・コスタ氏とその息子、アルジェプラン社会計のアウミール・フェレイラ氏の計11人だ。
 このうち、リマ氏とマリア夫人、コスタ氏とフェレイラ氏の4人には一時逮捕の請求も出されている。
 この件に関する最高裁の担当はルイス・ロベルト・バローゾ判事で、連邦検察庁が15日以内に同件に関する意見書を提出する見込みだ。
 この件の捜査は、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官(当時)の要請を受け、昨年9月にはじまった。この疑惑が浮上したのは、ロウレス氏がJBS社との間での50万レアルの金銭授与の容疑で昨年6月に逮捕された後、JBS社関係者らの報奨付供述や同氏の携帯電話の通話記録などを調べた結果、この港湾令に関する不正をにおわせる通話内容などが確認されたことによる。
 この港湾令は、1993年以降に結ばれた港湾の営業権や賃貸借契約の期間を25年から35年に拡大した上、最大70年までの延長を認めるものだ。連警によると、テメル大統領は同令発行に関連し、サントス港で活動するロドリマス社からの賄賂をリマ氏経由で受けとっていたという。
 連警は、2013年から15年にかけて行われたテメル氏の娘のマリステラ氏宅の改築も賄賂の一部とみなしている。住宅改築費用をリマ氏夫人のマリア氏が現金で払ったことは、4月にフォーリャ紙が報じている。
 バローゾ判事によると、この疑惑に関する連警の報告書には、報奨付供述その他の供述や、銀行口座の勘定明細、領収書、電話の通話記録など、多くの証拠が含まれているという。その中のひとつには、リマ氏所有の企業の口座から2060万レアルもの引き落としが行われていた記録もあるという。
 一時逮捕が要請された4人には、国外渡航の禁止と口座差し押さえの命令も出されている。
 テメル氏らの弁護人たちは告発後、容疑を否認する発言を行っている。