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ブラジルでも少子化の動き目立つ=出生率1・7で世界平均下回る

ブラジルでも少子高齢化が進んでいる。(参考画像・Pedro Ventura/Agencia Brasil)

ブラジルでも少子高齢化が進んでいる。(参考画像・Pedro Ventura/Agencia Brasil)

 国連人口基金(UNFPA)は17日、2018年版世界人口白書を発表。それによると2018年、「ブラジル人女性が一生のうちに出産する子供の平均数」(合計特殊出生率・以下「出生率」)は1・7だった事がわかった。
 1960年、この数字は6・28だった。58年をかけてブラジル社会は大きく変容したと言える。1・7は、ラテン・アメリカ諸国の平均値2や、世界平均の2・5を下回っている。
 カリブ・ラテンアメリカ諸国では、ブラジル以外に11カ国(ドミニカ、コスタリカ、エルサルバドル、メキシコ、ニカラグア、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ)が調査対象となった。
 ブラジルの出生率は、ラテン・アメリカ12カ国中最低で、ブラジル人女性が最初に出産する際の平均年齢は26歳5カ月弱だ。
 Unfpaのブラジル事務局長ハイメ・ナダル氏は、「出生率1・7では人口総数が保てない。ブラジルの総人口は今後減少する」と語る。
 同氏は少子化だけでなく、ブラジル人が長生きするようになっていることも指摘、ブラジル社会も高齢化していくと述べた。
 同氏は、キャリアや、金銭的問題を考慮して、子供の数を少なくしようと考えるブラジル人が出てきている事と、それとは逆に、公共医療サービスにアクセスできず、また避妊についても詳しく教えられていないために、産む子供の数を選ぶ事の出来ない人々が存在する事実も指摘した。
 ナダル氏はブラジルでは、学歴によって、子供を産む数が大きく違うことを強調し、住む地域や収入、学歴を問わず、全てのブラジル人女性に平等に選択の機会を提供する事が、政府などの公共機関の務めだとも語る。
 ブラジル地理統計院(IBGE)によると、ブラジルの総人口は2047年の2億3320万人をピークに徐々に減り始め、2060年には2億2830万人になるという。
 またIBGEは2060年の出生率は今よりも低い1・66になり、第一子出産の平均年齢も28歳10カ月弱に上昇すると予測している。
 子供が減り、長生きする人が増える事から、30年後は総人口の4分の1が65歳以上になるだろうとも予測している。(17日付エスタード紙より)