先月3日に北海道胆振東部を震源として発生した地震で甚大な被害を受けた安平町――そこと縁のあるブラジル北海道協会(大沼宣信会長)は、「北海道安平町震災支援イベント」を今月12日に開催した。3連休初日の祝日にも関らず、予想を上回る約300人が来場。焼きいかやニシン等の販売収益と募金を合わせて、一万レアル以上が集まった。同会が募金活動のため開設した銀行口座にも続々と募金が寄せられ、復興支援の輪が少しずつ広がっている。
震度6強の地震により土砂崩れが発生、一時は避難者が300人超に上る被害を受けた同町。現在でも、地震の影響で浄水場機能が低下し、水不足など市民生活に大きな影響が出ている。
同町は、09年の同人移住90周年、同協会設立70周年式典に合わせ、体長2メートル、重さ約11・3トンの大型の雪だるまと、30個の小型雪だるまをサンパウロに空輸した。このように縁が深いことから今イベントは企画された。
3連休初日の祝日で客足が懸念されたが、ピーク時には会場は満席に。焼きいかやニシンの芳ばしい香りが来場者の食慾をそそっていた。11時から4時間半の間に約300人が来場した。
鈴木妙子婦人部長は「祝日で心配していたけど、蓋を開けてびっくり。こんなに大勢のお客さんが来てくれるとは予想外」と嬉しい悲鳴を上げた。「10年前に安平町が雪だるまを贈ってくれ、少しでも恩返しができればという思いだった。日本円に換算すれば大きな額ではないが、少しでも皆の気持ちを届けられたら」と話した。
婦人部が前々日から下ごしらえし、当日は青年部、Yosakoiソーランのメンバーら約50人が運営を支えた。その内の大半が若手だった。
中浜オスマル会計理事は「こうした催し事がある時には、青年部が中心となってワッツ・アップやフェイスブックを駆使して、呼びかけてくれる。会員を中心にその周辺の人にも募金活動のことが知れ渡ってきている」と笑みを浮かべ、若手の活躍を喜んだ。
大沼会長は「3連休で旅行を計画していた人も多かったが、予定を変更してまでボランティアしてくれる人がいた」と話し、「通常のイベントと異なり、普段会館には来ない人も多くいた」と謝意を滲ませた。
大沼会長は昨年7月に同町を訪れ、来年8月に予定する同人移住100周年記念式典で雪だるまを再び送ってもらい、ジャパン・ハウスで展示する企画を話し合っていたという。「一日でもはやく被災者の皆さんに元気になり立ち上がって欲しいとの思い」と被災地の復興を願った。
義捐金は来伯予定の北海道日伯協会を通じて、同町に渡される。なお、募金の振込先は以下の通り《Associação Hokkaido de Cultura e Assistência, CNPJ 62.815.121/0001-49, Banco do Brasil (001), agência – 0646-7 – C/C – 4852-6》