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ブラジル人のポルトガル国籍申請受付中断=「申請数多く、対処しきれず」

 在サンパウロ市ポルトガル総領事館は、ポルトガル系ブラジル人による国籍申請の数が余りに多くて対処しきれないとして、来年1月2日まで、新規の国籍取得申請の受付を中断すると発表した。19日付ブラジル現地各紙が報じている。
 この知らせは在サンパウロ市ポルトガル総領事館のホームページに掲載された。サントス市の同国領事事務所も、同期間中、申請の受付を中断する。
 サイトに掲載された文には、「国籍申請の数が増え続け、審査その他の手続きに遅れが生じている」とあり、総領事館側は、現在進行中の手続きを行うため、新規受付の中断が必要だったとしている。国内の他の総領事館や領事事務所も受付を中断したかは、まだ確認できていない。
 ポルトガル法務省によると、今年だけで既に1万人のブラジル人が同国の国籍取得を申請している。この数は国別トップだ。
 総領事館は、申請の受付再開を待てないブラジル人は、ポルトガルにある中央登録局に直接申請する事が可能だとしている。申請は代理人が行うことも可能で、必要な書類を郵送すればよい。
 ポルトガル移民1世の娘で、自分自身はポルトガルの市民権を持っているが、息子たちにも同じ権利を持たせたいと思って、国籍取得を申請していたルシア・ガンバリーニさん(52)は、申請再開を待つか、ポルトガルに直接申請するか決めかねている。
 ガンバリーニさんは「ポルトガルに直接申請しても、そこも中断しかねないから、正確な情報を得たい」と語る。
 ガンバリーニさんは、「ブラジルの政治的、経済的な混乱が続いても、将来的にポルトガルに合法的に居住できる権利を得るために、国籍を取ろうとする人が増えているのだろう」と見ている。