ブラジル労働省が22日に発表した全就労・失業者台帳(Caged)によると、9月は13万7336人分の正規雇用増となったと、23日付現地各紙が報じた。これは2014年にブラジルが不況に突入して以来、単月度としては最高の結果で、9月の結果としても過去5年で最高だった。
9月は年末に向けて雇用が増える傾向があるが、専門家らの予想平均値「10万人増」さえも大きく上回った。
テメル大統領(民主運動・MDB)は、「国の発展の兆候であり、労働法改正が効果を発揮し国家に、希望が広がっていることの証」と語った。
9月の正規雇用増は国土全体で発生しており、八つに分けた雇用分野でも7分野で増加を記録した。唯一、農牧畜業だけが2688人分の正規雇用減だったが、この下げ幅は、9月としては25年間で一番小さい。
9月の結果は、雇用市場の改善が日に日に明らかになっていることの証明だと、専門家たちは考えている。
1月から9月まで毎月正規雇用増が続いており、年間累計では71万9千人分の正規雇用枠が増えた。これはポジティブな結果と言えるが、2014年から17年にかけて失われた290万人分と比較するとまだ大きく開きがある。
コンサルタント会社テンデンシアス社のアナリスト、チアゴ・シャビエル氏は「雇用回復の傾向は8、9月で一層強くなった。年末商戦のための一時的な雇用回復という側面もある。だが、経済全体が回復しつつある事による雇用の伸びという側面も否定できない」と語っている。
同氏はさらに、5月末に発生したトラックストで雇用回復に水が差されたが、今では季節による影響を一番受けにくい建設部門でも雇用改善傾向が見られるとした。
9月に建設部門は1万2481人の正規雇用増を記録した。これは昨年9月に比べて33倍も大きい値だ。製造加工業は3万7449人の正規雇用増加で増加ペースは1年で50%上昇した。
リオのジェトゥーリオ・ヴァルガス財団全国経済研究所(Ibre/FGV)のフェルナンド・バルボーザ・フィーリョ氏は、新政権の経済政策が未だ明らかでない事が、今後数カ月の雇用の改善ペースに影を落としかねないとし、「雇用が今後も力強く増えていくためには、経済の回復がもっと力強くなる事が必要」と語った。
チアゴ・シャビエル氏も、「『ボルソナロ氏、ハダジ氏どちらが勝つか』という不確実性は28日に終わる。だが、その後は『新大統領がどんな経済政策をとるか』という不確実性がまた現れる」と語っている。
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