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フェイスブック=親ボルソナロ頁を大量削除=悪意ある偽ニュースの温床?!=「いいね」ネイマールの4倍

フェイスブックがつながらないイメージ(Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)
フェイスブックがつながらないイメージ(Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)

 フェイスブック社は22日、大統領候補ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)を支持する68のページと43のアカウントの削除を行なった。これらは同一のグループが運営しているもので、大量の偽造名義を使って政治に関する意図的な情報を行き渡らせ、さらにスパム(無差別かつ大量にばらまくメールなど)も流していたという。23日付エスタード紙が報じている。

 これらのページは、ラポーザ・フェルナンデス・アソシアードス(RFA)という団体が運営していたもの。運営責任者は弁護士のエルナーニ・フェルナンデス・バルボーザ・ネット氏とタイース・ラポーゾ・ド・アマラル・シャーヴェス氏の2人だ。
 今回削除されたページでは選挙期間中の30日間で、合計1262万件のエンゲージメントがあったという。「エンゲージメント」とは、特定の情報をみた人が起こした行動、例えばコメント、シェア、クリック、動画の表示などが全て数えられる。
 内訳で見ると、最もエンゲージメントが多かった「フォーリャ・ポリチカ」で372万件、「汚職に反対する行動(MCC)」で221万件、「ジャイール・ボルソナロ氏を応援する会」が161万件だ。同じ期間中、サッカーの世界的スターのネイマールで115万件、ブラジルと南米で大人気の女性歌手のアニッタで57万4800件だった。
 さらにRFAの68ページ合計で、対象期間中に「いいね」など絵文字による反応が492万件で、同期間のネイマールの4倍。コメントが82万6千件で、同期間のアニッタの約7倍。シェアが688万件で、世界的女性歌手のマドンナの約18倍となっている。
 これらページは、同一人物が複数の名義で運営していた上に、そこからさらに複数の偽造名義を作って登録者を何倍にも膨れ上がらせていた。特定候補を中傷したり、逆に誉めたりする書き込みをする人を雇い、その偽造登録者の名義を使わせていたと見られる。
 この調査をエスタード紙と共に行なった、ネットにおける政治思想の中立的拡大を支持する非営利組織Avaaz(本部=米NY)のコーディネーター、ジエゴ・カザエス氏は、フェイスブックの決断は「ネット社会、選挙高等裁判所、連邦議会に大きな警告を発している。選挙に意図的に影響を与えようとする悪意ある〃役者〃のウソを含んだネットワークを潜ませるなど、RFAは想定の倍以上の影響力を持っていた。これは民主主義への深刻な脅威だ。フェイスブックはこれらのページに関係をもった人全てに、即座に注意を促すべき」と警鐘を鳴らした。

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