【既報関連】8日にリオ・グランデ・ド・スウ州ポルト・アレグレ市で起きた、19歳の女性が大統領候補ジャイール・ボルソナロ氏の支持者3人に襲われ、腹部にナチスの鉤十字型の傷をつけられたと訴えた件で、捜査の結果、警察はその女性の自作自演と判断、偽証罪で起訴する意向だ。25日付現地紙が報じている。
この件は、同性愛者支援を示すLGBTのシールをカバンに貼り、反ボルソナロ運動「エレ・ノン」のTシャツを着ていた女性が、バスから降りて帰宅する途中、3人のボルソナロ支持者に襲われ、腹部にナチスの鉤十字の傷を入れられた、と訴えていたものだ。
女性は警察に届け出た後、「傷が浅い」「鉤十字には見えない」と判断した警察官の態度なども報告したため、問題がさらに拡大。捜査が本格化することになった。
だが、この女性が被害届から2日後に案件を取り下げたこと、証言が曖昧だったこと、防犯カメラに該当する映像が残っていないこと、腹部以外に傷がなく、暴行後に無理やり傷つけられたものとは思われないとの鑑識結果が出たことなどから、警察は女性が知人と共に自分で入れたものと判断した。
ただ、傷を見た女性の友人が驚きを隠せず、本人以上に「警察に届けるべきだ」と主張してことが大きくなったとの証言もあり、ボルソナロ氏を陥れようという意思はなかったと、警察は判断している。
この事件は、ボルソナロ氏への支持を巡って口論となって殺害されたバイア州のカポエラ師殺害事件と並んで大きく報道され、国外のメディアにも取り上げられていた。