「私はもう91歳ですが、こんなことは珍しい。4種目で金メダルを獲得したのは初めてです」――パラナ州クリチバ市在住の山本茂さん(91、静岡県)は元気溌剌と語り、12~14日にサンパウロ市で開催された全伯日系陸上大会の結果を来社して報告した。
張りのある声で矍鑠とした茂さんは91歳とは思えないほどエネルギーが漲っている。「これまでに多くの人にお世話になってきた。だから、皆さんにぜひお知らせしたかったんです」と半ば興奮気味に話した。
茂さんが出場したのは、砲丸投げ、槍投げ、円盤投げ、ハンマー投げの4種目。90歳以上の部に出場し、見事、金メダルを獲得した。
「田舎で百姓をやっていた22歳の頃は、槍投げは52メートルも飛んだ。これが最高記録です」と誇らしげに語り、「今では軽い槍でも20メートルにも及ばない。記録は恥ずかしくて言えませんがね」と豪快に笑い飛ばした。
今大会には、妻・京子さん(87、福岡)も出場。20年振りの大会出場だったが、槍投げ85歳以上の部で銅メダルを獲得した。
京子さんは「20年以上稽古しておらず、主人に促されて出場した。杖をつきながらだったし、まさかメダルが獲れるとは思ってもみなかったわ」と頬を紅潮させ、茂さんと顔を見合わせ笑みを浮かべた。(航)
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