ブラジル国家通貨審議会(CMN)は29日、ブラジル国内の各銀行に対し、現行では「通知してから30日後」とされているクレジットカードの使用限度額引き下げを、通知さえすれば即刻行ってもよいとする決定を下した。
これはカード利用者の経済状況が急速に悪化し、短期間の内に債務不履行になる危険性が高いと金融機関が判断した時に、カード使用限度額を即座に引き下げられるようにする措置だ。
これまでは、カード利用者がどれほどでたらめな使い方をしていても、即座の限度額引き下げは出来なかった。しかも、通知後30日後にしか、限度額が下げられないので、通知が来た後、返済の見込みがないのにわざと使ってしまう消費者もいた。
金融規制局のジョアン・ペレイラ局長は、「即座の上限引き下げは、あくまで緊急時に限られ、それ以外の場合は引き続き、『通知後30日』のままとなる」と説明した。
〃緊急時〃の定義付けは各金融機関の権限となるが、銀行が権限を濫用していないかのチェックは中銀が行う。ペレイラ氏は「銀行の主目的はあくまで融資を続ける事」と語った。
ブラジル中銀は今回の決定で、ブラジルの一般消費者の債務拡大や債務不履行が減り、「不渡り(融資焦げ付き)の際の保険」の意味で各銀行が高く設定している金利が下がることを期待していると表明した。