ブラジル中銀は10月30、31日に行われた通貨政策委員会(Copom)で、経済基本金利(Selic)を年利6・5%に据え置く事を決めたと、1日付現地各紙が報じた。
今回は、ボルソナロ氏が次期大統領に当選してから初のCopomだった。中銀はこれで、3月以降、5会合連続で据え置きを決めた事になる。
年利6・50%は、1996年のSelic制定以来最低値だが、ブラジルの実質金利(政策金利からインフレ率を引いた値)は年間2・93%で、世界6位の高さだ。
このランキングの1位はアルゼンチン(18・90%)で、以下2位トルコ(8・55%)、3位メキシコ(4・47%)と続く。
Selicの据え置きは、Copom前に金融市場の専門家たちの間で行われた調査結果と一致した。会合前、61機関は全て、年利据え置きと予想していた。年内最後のCopomは12月11、12日に予定されているが、そこでもSelicは据え置かれるだろうというのが、専門家たちの予想だ。
据え置きの判断は、イラン・ゴールドファジン中銀総裁の他、8人のCopomメンバーによるものだが、総裁以下8人が来年以降、留任するかは未確定だ。
中銀は、ブラジルの物価変動について、経済の停滞がデフレにつながりかねないと見ている。また、経済改革が進まない場合や、国際情勢が新興国に不利になれば、インフレのリスクが高まることなども指摘している。