ジャパン・ハウス(JH)で3日、くまモンが南米初デューを飾った。これは熊本県が世界に誇るマスコットキャラクターで、栄えある「ゆるキャラグランプリ2011」王者だ。ブラジルでも日本のポップカルチャーが大流行中だが、その最先端ともいえる存在だ。4日に開催されたブラジル熊本県文化交流協会(田呂丸哲次会長)の創立60周年記念式典を祝うために、わざわざ初南米〃出張〃にきた。4日昼過ぎにはブラジル日本語センターにも登場、日本語を学ぶ子供や青年らと一緒に「くまモン体操」を踊るなどの活躍を見せた。
くまモンの職業は「いちおう公務員」で、「営業部長」などに任命され、主に日本国内で熊本県の広報、県生産物の販促に役立つPR活動を行なっている。小野副知事によるJH講演の最後にくまモンが登場すると、100人余りの聴衆から歓声が沸き、「くまモン体操」を披露すると写真を取る手が林立した。
アジアでも人気が広まってきたため、香港、タイ、台湾にも出張済み。そのような熱烈な海外組ファンが「くまモンのイベント参加スケジュールをわざわざ調べて、それに合わせて訪日する人までいる」と副知事は紹介した。
米国、イタリア、フランス、ドイツ、モナコなどにも出張しており、副知事は「今回は県人会の皆さんにお会いすることがメインで、南米初上陸しました」と説明した。
今年4月からくまモンの世界展開を始めたこともあり、小野副知事は「将来的に南米での展開も前向きに考えている」とコメント。くまモンのイラスト利用(海外では有料)に興味がある企業は、在聖総領事館もしくは同交流協会を通して、県庁に連絡を取ってほしいと語った。
翌4日に熊本文化交流協会会館で開催された創立60周年式典は、母県の慶祝団計54人に加え、250人以上の会員が集まって盛大に祝った。
小野副知事は式典で、蒲島郁夫知事の挨拶を代読し、「県人会の皆様のこれまでのご支援に対する感謝の印として、『くまモン』を初めて南米へ派遣いたします。熊本県のPRキャラクターとして誕生したくまモンは、熊本地震の際には県民に震災に負けない生きる勇気を与えてくれました。くまモンは活躍のフィールドを世界中に広げつつあります」とブラジルからの応援を期待するメッセージを送った。
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熊本文化交流協会60周年式典で熊本日伯協会の河村邦比児会長(熊本日日新聞社長)は、「交流協会の日下野良武理事長が毎月、熊本日日新聞に『ブラジル便り』を寄稿してくれるおかげで遠い気がしない」と挨拶し、「母国日本を慈しむ心を、県人の皆さんから学ばなければならない」と語った。同日伯協会の一行20人には、秋岡廣宣・熊本放送会長、福岡哲生・鶴屋百貨店取締役業務部長、幸田亮一熊本学園大学学長、中原康彦・熊本空港ビルディング常務、豊住賢一・熊本第一信用金庫理事長ら錚々たる地元財界人の姿が見られた。それだけ同交流協会が強い絆を母県と持っている証だ。そのような絆があればこそ、くまモン南米初出張が実現したと言えそうだ。