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《ブラジル》モロ判事「ボルソナロは危なくない」=法相内諾の会見で語る=政治的理由での就任否定=気になる汚職防止法案は?

6日のモロ氏(Hedeson Alves/EFE/Direitos Reservados/Agência Brasil)

6日のモロ氏(Hedeson Alves/EFE/Direitos Reservados/Agência Brasil)

 ジャイール・ボルソナロ次期政権の法相が内定しているセルジオ・モロ連邦地裁判事が6日、パラナ州クリチーバで会見を行った。同判事はその中で、ボルソナロ氏の印象や引き受けるに至った経緯、汚職防止法案の今後などについて語った。7日付現地紙が報じている。

 モロ氏はこの会見で、ボルソナロ氏について、「落ち着いた、分別のある,慎重な人物で、国の脅威になどならない」と答え、「社会的弱者に攻撃を加えたり、同性愛者を迫害したりするような法案の提案はない。そんなものはゼロだ」と冗談を交えて答えた。
 また、自身の法相就任内諾と労働者党(PT)のルーラ元大統領断罪との間には「何の関係もない」とし、政治性を理由にルーラ氏の裁判を行った訳ではないことを強調した。モロ氏は、大統領選の世論調査で支持率1位だったルーラ元大統領に収賄罪などで有罪判決を下し、それが結果的にルーラ氏の出馬断念へとつながった。モロ氏によれば、この判決は政治的なものではなく、純粋に犯罪を裁いたものだというが、ボルソナロ氏は選挙キャンペーン中、最も強くルーラ氏やPTを批判していた。
 ただ、モロ氏は、ボルソナロ陣営が大統領選の終わる前に接触を取り、法相就任を打診してきたことも認めた。それは、決選投票5日前の10月23日にパウロ・ゲデス次期経済相と会ったときのことだ。だが、モロ氏は、「それは10月1日に(元ルーラ政権重要閣僚の)アントニオ・パロッシ氏の報奨付供述の一部公表を承認した後の話だ」とした。供述内容の公表は一次投票の6日前に起きた。
 モロ氏は今後の抱負について、「議会との対話を重ね、6カ月以内に汚職防止法案を提出したい」とした。その法案の中身については、「ボルソナロ氏と話し合うことになる。同氏の政府なので、最終決定権は彼にある」と語った。
 モロ氏が提案しようと考えているのは、「第2審有罪での刑執行強化」「犯罪組織の構成員の刑務所内での隔離」「原告の匿名性の強化」「囚人同士の意思疎通の制御」「犯罪者のDNAデータ増強」「専門性強化による、警察官の職務の負担軽減」などがある。
 なお、現在、社会問題化している刑法関係の問題に関する見解も語られた。「成人年齢の引き下げ」に関してはボルソナロ氏同様、16歳までに下げることに賛成だが、それは殺人など、罪状が凶悪な場合に限るとしている。また、減刑や一時的な恩赦、釈放などに関しては、「犯罪組織構成員に限り、禁じること」に賛成としている。
 また、「社会運動団体のテロリスト認定」や「ベネズエラとの国境封鎖」「銃規制の軟化」などには反対の立場をとっている。