沖縄県人会カーザ・ベルジ支部(上原ルイス会長)は先月27日、同支部会館にて「認知症サポーター養成講座」を実施した。サンパウロ市北部在住の日系人を中心に約80人が参加。同講座は日本発の地域福祉実現施策の1つで、2時間の講座で認知症患者とその家族が抱える生活上の困難を理解し、地域住民の立場からどういった助け方が出来るのか理解を促す。
開催には同講座講師資格を持つJICAシニアボランティアの長谷川美津子さんが協力した。
講座後には意見交換会が実施され、参加した照屋ロベルトさん(63、二世)は「講座内容の多くは実際に体験したものだった。もっと早く受けたかった」と述べ、2005年から認知症を患っている母の介護を通じて感じた疑問や介護に対する思いを参加者らに語った。
地域福祉の実現には、講座だけでなく「介護体験や悩みを共有できる場が地域にあることが重要」と講師の長谷川さんは話す。長谷川さんは地域住民の保健・福祉・医療の向上、介護予防マネジメントなどを総合的に行う日本の地域行政機関『地域包括支援センター』での勤務経験があり、意見交換会の実施を勧めた。
講座開催を主導した上原会長は「会員の強い要望に応えて実施したが、やってよかった。サンパウロ市北部の諸日系団体とも連携して、この取り組みを広げていきたい」と語った。