パラナ州クリチバの連邦地裁で7日、サンパウロ州アチバイアの別荘改修工事に関する公判が行われ、工事はルーラ元大統領への見返りで、その事は本人も知っていたとの証言がなされたと7、8日付現地紙、サイトが報じた。
アチバイアの別荘は第3者名義だが、検察は当初から、実際はルーラ氏のもので、改修工事はペトロブラス社の事業を請け負ったオデブレヒト社とOAS社からの見返りと見ていた。
7日の公判では、オデブレヒト・グループ元役員のアレッシャンドリーノ・デ・アレンカール被告、元社長のマルセロ・オデブレヒト被告、会長のエミリオ・オデブレヒト被告が証言を行った。
マルセロ被告は、改修工事の事は2010年に知ったが、その時は既に大掛かりな工事が始まっており、完全に口を封じる事は出来なかった事、この工事は、ルーラ氏個人への見返りとして行われた事などを語った。
オデブレヒト社はいつも、ペトロブラス社の事業を請け負った見返りとして、ルーラ研究所用の土地など、労働者党(PT)や団体向けの贈賄を行ってきたが、アチバイアの別荘工事はルーラ氏個人への見返りだという。
ルーラ氏は、別荘は自分のものではなく、不正な金を受け取った事実もないと主張しているが、同被告は、経費の一部をオデブレヒト社が払っていた事はルーラ氏も知っていたはずと語った。
同被告はPTや政治家に賄賂が払われていた事を承知しており、工事の経費は、ルーラ政権元閣僚のアントニオ・パロッシ被告を指す「イタリアノ」というコードネームで振り込んだ1500万レアルの中でやり繰りされたとも証言した。
エミリオ被告は更に、別荘改修工事は故マリーザ夫人からの要請で、アレンカール被告がその話を持ってきた時も鶴の一声で承認し、見積もり提出を命じた事や、マリーザ夫人はエミリオ被告とルーラ氏が懇意である事を知っていた事などを証言した。
アレンカール被告は、工事終了後の書類上の処理は、ルーラ氏の親友で弁護士のロベルト・テイシェイラ被告が行った事なども明らかにしたが、ルーラ氏の弁護団は改めて、一連の証言は検察が訴えている嫌疑が虚偽である事を裏付けるだけとの見解を表明した。
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