【既報関連】ジャイール・ボルソナロ次期大統領が、医療プログラムのマイス・メジコス(MM)に参加する外国人医師の免許の有効性などを問う方針を打ち出した事で、キューバ人医師8332人以外に、3300人の医師が離脱する可能性があるが、欠員枠を埋めるのは困難だと17日付現地紙が報じた。
ジウマ政権が導入したMMでは、無医の市町村への医師派遣や家庭医療計画の充実を図る事に賛同する医師を広く公募。応募者はブラジルで学んだブラジル人医師、外国で学んだブラジル人医師、外国人医師の順に採用される。だが、応募者不足で、米州保健機構を介したキューバ人医師の受け入れが進んだ。
現在活動中の医師1万8240人中、8332人はキューバ人医師で、ブラジルで学んだブラジル人医師は約4600人。外国で学んだブラジル人医師とキューバ以外の国の外国人医師は約3300人もいるが、現在もなお、2千人分が欠員となっている。
ボルソナロ氏は、外国で免許を取得した医師全員に、医師としての知識や技能を有しているかを確認する試験を受けさせる方針だ。だが、この試験は年1度で、ポルトガル語の能力不足で不合格となるケースもある。
現行基準では、MM参加の外国人医師は活動開始後に試験を受ければよく、繰り返しての受験も可能だ。だが、試験合格がMM参加の条件となれば、外国で免許を取得したブラジル人医師や外国人医師は即刻試験を受けねばならないし、今年の試験にはもう間に合わない。
MM参加医はキューバ人のみの市は1575あり、その80%は人口2万人以下と小さく、貧しい。キューバ人医師が去れば、数十キロ先の市の医療機関に行く必要が生じる人は約3千万人。公選弁護士らは16日、国民への影響を回避するため、現行基準を維持するよう要請した。全国市審議会は19日にテメル大統領と会合を持つ。
ジウベルト・オッシ保健相は、学生融資基金を受けて卒業する医学生採用などの方法で欠員を補充出来ると見るが、13~16年のMMコーディネーター、フェリッペ・デ・オリヴェイラ氏は、1万人(キューバ人医師離脱分と現在の欠員2千人分)の医師補充は困難との見解を示している。