《ブラジル》ボルソナロ次期政権の保健相にマンデッタ氏=DEMから3人目の入閣=またも「疑惑あり」の人物

ジャイール・ボルソナロ次期大統領は20日、次期保健相にルイス・エンリケ・マンデッタ氏(53、民主党・DEM)を指名した。これでDEMからは3人目の閣僚入りとなるが、同氏は他のDEMの閣僚候補同様、汚職疑惑を抱えている。21日付現地紙が報じている。
マンデッタ氏はリオ市のガマ・フィーリョ大学を卒業後、郷里のマット・グロッソ・ド・スル州に戻り、連邦大学の整形外科医をはじめ、米国の病院や軍病院、マット・グロッソ・ド・スル州州都カンポ・グランデ市のサンタカーザ病院などで勤務経験を積んだ。1998年以降はカンポ・グランデのUNIMEDにも関わり、2001~04年に会長を務めた後、2005年に同市保健局長に就任。2010年からは2期連続で、下院議員を務めている。
これでDEMからは官房長官予定のオニキス・ロレンゾーニ氏、農相予定のテレーザ・クリスチーナ氏に次いで3人目の入閣となる。他の政党からは入閣がない中、同党からのみ入閣が続くことに関して、オニキス氏は「別に問題はない」としている。3人はいずれもDEMの下院議員だ。
また、オニキス氏、クリスチーナ氏がいずれも食品大手JBS社との間で汚職疑惑があるのに続いて、マンデッタ氏にも疑惑があることが既に報じられている。
それはカンポ・グランデの保健局長だった時、二つの企業と990万レアルで不正契約を行ったと見られていることだ。同氏は両社の関係者と2010年にポルトガル旅行も行っているが、これも疑惑の関係を強めるためと見られている。マンデッタ氏は2016年にこの件で連邦検察庁から捜査を受けている。
だが、ボルソナロ氏は「マンデッタ氏はまだ被告になっていない」とし、問題視していない。ボルソナロ氏は以前、自身の閣僚には「疑惑がある人物は入れない」と繰り返し語っていた。
次期保健相は、キューバ人医師が大量に引き揚げた後の医療対策「マイス・メジコス(MM)」をどうするか、などの重要課題を任されることになる。同氏は会見で「MMはキューバとブラジルではなく、まるでキューバと労働者党(PT)との間で結ばれた契約のようだ」と皮肉った上で、同対策の再建について語った。
一方、保健省は21日から「マイス・メジコス」の新たな医師8500人の募集を始めたが、同日午前8時の募集開始後、3時間で3千人の登録が記録されたという。