ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ゲデス次期経済相、経済関係要職を次々に指名=ブラジル銀行総裁にまた同窓生抜擢=狙うは公社スリム化と民営化

《ブラジル》ゲデス次期経済相、経済関係要職を次々に指名=ブラジル銀行総裁にまた同窓生抜擢=狙うは公社スリム化と民営化

上下合同両院予算委の会合に招かれたパウロ・ゲデス次期経済相(Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

上下合同両院予算委の会合に招かれたパウロ・ゲデス次期経済相(Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 ジャイール・ボルソナロ次期大統領(社会自由党・PSL)から経済政策を一任されているパウロ・ゲデス次期経済相は22日、国営銀行の連邦貯蓄銀行(Caixa)総裁にペドロ・ドゥアルテ・ギマランエス氏を、同じく国営銀行のブラジル銀行(BB)総裁にルベン・デ・フレイタス・ノヴァエス氏を据える事を進言したと、23日付現地各紙が報じた。
 事実上、ゲデス氏に任命されたこの2人は、現政権同様、両行の保有資産売却と支出削減を使命として受けている。
 民間投資銀行ブラジル・プルラルの共同経営者でもあるギマランエス氏は、民営化作業のスペシャリストで、ボルソナロ氏の選挙キャンペーンで国営企業の民営化に関する資料を作成した責任者の一人でもある。同氏は、ゲデス氏が投資銀行BTGパクチュアルの共同経営者だった時に、ゲデス氏と共に働いた経験がある。
 ギマランエス氏は、Caixa内部のクレジットカード部門と保険部門の売却(分社の上、民営化)を担う見込みだ。
 ノヴァエス氏とゲデス氏は、米国シカゴ大学の同窓生だ。ノヴァエス氏は、社会経済開発銀行(BNDES)の理事を務めた経験もある。
 ブラジリアのブラジル銀行文化センター(CCBB)での政権移行チームとの会合後、「優先事項は、BBをよりスリムでより競争力の高い機関にしていく事と、民営化できる国有企業は民営化していく事」とノヴァエス氏は記者に語った。
 同氏はさらに、「今日の民営化作業では、従来以上に資本市場を活用するから、公社民営化の際も一括して民営化する必要はない。分社化の道もある」と踏み込んだ。
 BBは700の支店を閉鎖し、職員1万2380人を解雇した。Caixaも、3年間で100支店を閉め、1万2300人を解雇している。
 また、ゲデス氏は22日、カルロス・フォン・ドーリンジャー氏を応用経済調査院(Ipea)所長に指名した。同氏はリオ連邦大学の経済学教授で、軍政時代の1967~74年に財務相(現国庫局長)を務めた。
 ゲデス氏は23日に、新設する民営化推進局局長に、レンタカー会社ロカリザの創業者で、今年の統一選でミナス州知事選出馬の可能性もささやかれていたサリム・マッタル氏を据える事も正式発表した。同局は、ゲデス氏が選挙戦の最中から主張してきた国営企業の民営化(非公社化)を推し進める役割を担う。